Jan,31,2013

カトマンドゥは何度歩いても面白い街だと思う。
アラブのスーク(市場)のようにスパイスや生鮮食品から銅製品や衣服が所狭しと積んである色とりどりな小さな商店が、古めかしい建物の中にひしめき、
思わず踏んづけてしまいそうなところにまで、ヒンドゥの神々の像が点在している。
冒険心をくすぐるような小道があちこちにあって、喜んで迷子になってはワクワクする。

カトマンドゥのタメルという観光客で溢れるエリアは、観光客相手のお土産物屋が世界一並ぶといっても過言ではない。
10年前にカトマンドゥを訪れたときは、カトマンドゥはなんてお土産天国なんだろうと歓喜した。
毎日土産物屋に通い、値段交渉に励み、バックパックをお土産物でパンパンにし、ルンルン気分で帰国したことが懐かしい。

さて10年後の今回、欲しいものが全くないことに驚いた。
最初はネパールのお土産クオリティが下がったのではと疑った。
自分のものだけではなく、お世話になった友人たちにクリスマスプレゼントでもと一生懸命に店を覗いてみた。でも、驚くくらいに欲しいものがみつからない。
いったいどうしたことなのだろうか。
結局、カトマンドゥではトレッキングに必要なものを買っただけだった。

この5年間の自転車旅でのミニマムで暮らす生活が、本当に必要なものしか欲しがらない体質にしてくれたような気がする。
別に以前がショッピング気違いだったわけではないと思うけれども、それでも人並みに物を欲し買っていたわけで、たまにはパーッと買い物するのも好きだった。
とはいえ帰国して定住して、テントより広い場所を持ったときに、小さなカバンに毎日荷物を詰め込まなくてよくなった時に、このミニマム精神のまま暮らしていけるのかな。

激減した物欲に比べ、食欲は以前に増して増えたようで、
毎日胃がひっくり返りそうになるくらい食べた。
ひもじかった自転車旅の後、同じものばかり食べていた1ヶ月間トレッキングの後、優しいベジタリアン食事だった瞑想の後、どのタイミングでもカトマンドゥの食事は刺激的だ。
10年前よりもはるかに物価が上がって、激安パラダイスではなくなってしまったカトマンドゥだったけれども、イタリアンに和食、中華、インドカレーにメキシカンと世界中のグルメが楽しめる異空間は溺れてしまいそうな天国だった。


ヒンドゥの神様や仏さまが街のいたるところに鎮座する。物が立てかけられてあったり、踏まれそうなところにあったりもする。

さて、10年後にカトマンドゥを訪れる日には、体に必要な分しか食べないといった体にでもなっているのだろうか。
私たちに限っては、食欲はいつまでも消えることがないような気がする。


ごみが道に散らばる景色にもすっかり慣れたけど、日本でこんな道があったらだったらびっくりするよなぁ。


食べることに夢中で美味しかったカトマンドゥでの食事の写真はほぼ皆無。毎朝通ったちくさ茶房の最終日に慌てて撮ってみたお気に入りのホットケーキ。


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