Aug,13,2012

私たちの赤裸々な日常をつづったチャリダー日記、アルプス周遊編Vol.4。
今回は、マッターホルンの麓ツェルマットから、グリムゼル峠、アイガーの麓グリンデルワルドを経由して、フリブールに到着するまでの走行日記です。
なお、GoogleMap、標高プロファイル、距離一覧表、簡単なホテル情報をNotesにまとめてありますので、そちらも参照して下さい。→Click Here!

2012.06.28 Zermatt – Ulrichen 80km Camping Site

今日も朝からいい天気。登ってきた道と同じ道を一気に下って谷底へ。行きは午後いっぱいかかった登り道も、下りは約1時間であっという間だ。ツェルマットの朝は8度だったのに、谷底のVispまで降りると32度まで気温が上がっていた。しかも日本の夏みたいにムシムシした暑さなので夏バテ気味。でもお陰で途中で飲んだ冷えたコーラがうまい!フランスでは冷えた飲み物は少し高かったのだけど、スイスでは冷えていても値段は一緒なのが嬉しい。
ずっと自動車道を走っていたのだけど、一日の終わり近くになって実は自転車道が並行して走っている事に気が付き、最後の10kmほどは自転車道を走ることにした。たまに未舗装路になったり標識がなくなって迷ったりするのが面倒だけど、お花畑と雪山というスイスらしい風景の中でゆっくり走れて気持ちがよい。
今日のキャンプ場は一見22フランだったのに、会計の時に色々税が加算されて結局28.7フランまで上昇。なんか騙された気分だ。そして58.7フランを渡したのにお釣りは21.3フラン。いや小銭を渡したから釣りは30フランでしょと訴えても理解されず、少しすったもんだ。結局僕らが渡した8.7フラン分の小銭が追加で丸々返ってきた。損はしていないけど小銭がまた増えてしまった。ここはスイスでしょ、釣りのくらい計算して欲しい。まったく。(ひろ)
2012.06.29 Ulrichen – Grindelwald 95km Camping Site

今日はグリムゼル峠を登ってちょっと無理してグリンデルワルドまで走る。なんたって明日の晴天を逃すとしばらく雨予報なのでなんとしてでも明日ハイキングをしたい。グリムゼル峠自体は傾斜も緩く地味にペダルを漕いでいれば登れる峠でそんなに大変じゃなかった。峠の南側は景色もよかったけど、かといってこの峠は絶対に通った方がいいというほどの峠ではなかった。頂上で日本人ツアー客のおばちゃんたちにエールをもらい、長い下りを楽しむ。北側の景色は残念ながらダムやら送電線やらが醜くくてあまり好きになれなかった。岩山肌は独特で美しかったのに残念。傾斜は北側のほうがきつくて、反対側からくる人のほうが大変だろうなと思いながら下る。下ったら蒸し暑い。スイスってもっとカラッと爽やかな気候のイメージだったんだけど。湖沿いをのんびり走ってインターラーケンへ。今日は金曜日、明日は朝からハイキングに行く予定なので土日分の食料も買い込んでグリンデルワルドへ向かう。向かい始めてからビールを買うのを忘れたことに気がついて、何が何でも18時(スーパーが閉まると思われる時間)にグリンデルワルドに着くことを目標に走る。今日はとにかくビール日よりなのだ。喉がもうゴロゴロなっている。インターラーケンからグリンデルワルドは標高500mくらいのアップで、20km弱だから傾斜もたいしたことがないだろうから余裕だろうと走り始めたら、途中からやけに傾斜がきつくなる。蒸し暑い上に走行距離も90kmを超え、今朝の峠の疲れもあってかなりキツイ。太ももが痙攣しそうになりながら気合いで登る。これもビールのため。急がないと間に合わない。自転車を降りて押したりなんかしたらビールに間に合わないのだ。後半は緩やかで勢いよくグリンデルワルドの町に入場すること17時50分。「いやっほう、余裕で間に合った」と喜びながらも最後まで気が抜けないとスーパーを探す。町の中心はさらに上にあることが判明して最後の力を振り絞ってサイクルメーターの時計と睨めっこしながら必死に漕ぐのだけど、無情にも上り坂がひたすら続く。17時56分、スーパーコープの前に着いてガッツポーズだったんだけど、なんとコープは19時まで開いていた。ともあれ冷えたビールは美味しかった。そして本当に疲れた。(ようこ)
2012.06.30 Grindelwald 0km Camping Site

昨日激走したので足腰がパンパン。でも昨日頑張って走ったのは今日の午前中が晴れで午後から明日にかけては雨という天気予報だったからだ。そして予報通りに今日は朝から快晴なので、重い体に鞭打って朝一番のゴンドラに乗ってFirst(フィルスト)へ行き、そこからファウルホルンという山まで軽いハイキング。谷の反対側にはアイガーをはじめとする雪山が並んでいてなかなか爽快な風景だ。山の頂上でパンをかじって休憩した後は、グリンデルワルドの街まで1000m以上のダウンヒル。もちろんゴンドラを使えば簡単に帰れるんだけど高いので、下り道だし歩いて少しでも節約することに。
午後、キャンプ場に戻ると急激に天気が悪くなり始めて、夜には雨が降り出した。さすが、ヨーロッパの天気予報は良く当たる。(ひろ)
2012.07.01 Grindelwald 0km Camping Site

休憩日。見事に雨が降り続いたのだけど、今日のキャンプ場は室内でまったりできる場所があったので問題なし。のんびりダラダラと過ごす。こうやって屋根がある温かいところで過ごせるのであれば、雨は休憩できるいい言い訳になるから悪くない。一日中ゴロゴロ雷&大雨というのも珍しい。ツアーとかで今日しかハイキングができない人たちは可哀そうだなと思う。(ようこ)
2012.07.02 Grindelwald – Blumenstein 55km Camping Site

今朝になっても雨は降り続いている。当初の予定では友人お勧めのJaun峠を越えてフリブールに行く予定だったのだけど、雨がひどいので急遽ルートを変更して簡単なルートを取ることにした。雨の中で峠を攻めたって危なくて寒いだけだ。朝食を食べながら、雨が弱くなった一瞬を狙ってうまいことテントを撤収し、レインジャケットを着込んで雨の中で谷を下る。インターラーケンに着いたころにはほとんど雨もやんでいた。
インターラーケンからはトゥーン湖の南側を通ってフリブール方面へ。天気が悪いのにすごく綺麗な色をした湖だ。晴れた日にはさぞかし美しいんだろう。途中、小さな展望スポットでランチ休憩をしていたら、次から次にアラブ系の家族が車でやって来ては写真を撮りまくって帰って行った。きっとアラブで有名な映画でも撮影されたスポットなんだろう。それにしてもツェルマットは日本人だらけでびっくりしたけど、インターラーケン付近はインド人とアラブ人ばかりでびっくりする。不思議と住み分けができているものだ。
雨の中をしばらく走っていると、ちょうど雨が小休止したタイミングでキャンプ場のある街に到着したので早めに終了することにした。綺麗な芝生と小さな東屋があるので、こんな天気の悪い日にはありがたいキャンプ場だ。今日は一日中雨だったのに撤収と設営の時は雨がやんでいたのでラッキー。(ひろ)
2012.07.03 Blumenstein – Fribourg 44km Friend’s House

どうやら一昨日の雨で私たちが通ってきたグリムゼル峠などいくつかの峠は土砂崩れで通行止めになったらしい。確かに凄い雨量だったし、川の水位が物凄く高かったし、流れが驚くほど急だったもんな。今日は夕方までにフリブールに着けばいいのでいつもよりさらに遅い13時半出発。こじんまりして居心地のよいキャンプ場だった。フリブールまでせっかくチャリ道があるのでと使ってみたけど、なんだか急なアップダウンは多いし、回り道するし、面倒臭かった。週末バイキングくらいだったらこういう道も楽しめるけど、荷物の重いツーリングには向かないよねってスイス人の友人たちもブーブー言ってた。フリブールの手前までラファエルが自転車で迎えに来てくれて久々の再会を喜ぶ。2年ぶり。フリブールからフランス圏になるらしく、街並みがガラッと変わる。フリブールの旧市街はかわいらしく、やっぱり私はドイツ系の町よりフランス系の町の方が好きだわ。フリブールではゲイツの実家にお世話になることに。ゲイツとは半年ぶりの再会。ナディンは明日彼女の実家のあるドイツ圏のスイスから帰ってくるとのことで不在。おうちに入るなり美味しそうな香りが。ゲイツママ、デニスが美味しいケーキを焼いて待っててくれた!。ヨーロッパ人宅にお世話になる度に感心するのが、お客さんに対しての距離感が上手いこと。もてなしてくれるのだけど、気を遣いすぎないで、ほっといてくれるし、自分のいつものペース(もちろん全くいつも通りではないと思うけど)を保ちながら面倒を見てくれるのでこちらもリラックスできる。(ようこ)
2012.07.04 Fribourg 0km Friend’s House

午前中、自転車ショップでようこの後輪ハブを交換してもらう。36穴のXTモデルなんて常備している店はそうそうないだろうから、ラファエルにお願いして予め注文してもらっていたのだ。ついでに僕の自転車も変な振動を感じるので見てもらうことにする。結局エクス・レ・バンの自転車屋に払ったら整備代は全くの無駄になってしまった。エクス・レ・バンの自転車屋も見た目はプロっぽかったのになあ。翌日に仕上がるという事なので自転車2台を預け、午後は街に買い物へ。少し昼寝して出発が遅くなってしまったので、明日の日本食食材やカメラのレンズなどを見て回っているとあっという間に夕方になってしまい、全部用事を済ませられなかった。まあ明日もあるからいっか。
一旦ゲイツの家に帰って休んでいるとナディンが帰ってきた。相変わらずよく笑い、よくしゃべり、よく世話をしてくれる素敵な彼女、アルゼンチンで会った時と全然変わっていないのが嬉しい。夜はゲイツやラファエルカップルも合流して街の小さなフェスティバルへ。お祭りのディナープレートが21フランもしてびっくり。さすがスイスの物価は高いなあ。でも結局ナディンたちにおごってもらってしまった。お世話になっている上に奢ってもらうなんてなんだか悪い。(ひろ)
2012.07.05 Fribourg 0km Friend’s House

今日のランチは日本食パーティー。前回エリザベス&ザビエルに好評だったので今日も手巻きずしパーティーにすることに。生魚は手に入れるのが難しいのでスモークサーモンと揚げだし豆腐と照り焼きチキン、アボガドなどでカバー。自分で巻いて食べるのは楽しいらしく、今回も大好評。好きなものが食べられるし、ワイワイと出来るのでいいし、実際に日本人的にも生魚がなくても十分楽しめる寿司で、最低限海苔と日本風米、醤油が手に入ればどこでもできるのもいい。今日はゲイツの弟グレゴリーもやってきた。1歳違いの弟で、見かけも性格もだいぶ違う感じなのだけど仲が良い。午後は修理に出していた自転車を取りに行く。すっかり良くなって嬉しい。小さな不良点についてはあまり敏感ではない私でも、自転車の調子がばっちりだと乗り心地が全然違うことくらいは気づくし、快適で嬉しい。夜もビール、ワインを飲みながらゲイツとナディンと話し込む。ナディンは用事があって明日朝一番で実家に帰り再び昼に帰ってくる。実家まで電車で2時間半。日本でも遠いと感じる距離だけど、スイスだと端から端へ行くような感じらしい。(ようこ)
2012.07.06 Fribourg 0km Friend’s House

午前中ゲイツに車を出してもらって自転車屋、電気屋、ハードウェアショップなどを一気に回ってもらう。自分たちだけでは丸3日くらいかかりそうな買い物を数時間で効率よく回ってもらって本当に助かった。そして人口5万人のフリブールなのにあらかた欲しいものが揃ってしまうのだから、さすがスイスだ。これでインドに向けて準備はほとんど整った。
午後からはゲイツに手伝ってもらいながら自転車を箱に詰める。いつも2台詰めるのに4時間くらいかかるのだけど、今日は箱詰めに手慣れているゲイツの助けがあるので早く終わらせることができた。そして夕方からはゲイツのおばあちゃんの家で待望のラクレット祭り。ラクレットはチーズを電気オーブンみたいなものでトロトロに溶かし、それをジャガイモにかけて食べるスイスの伝統的なチーズ料理。ラクレット専用のチーズが抜群の味で、次から次へとチーズをオーブンに投入して忙しい。しかもゲイツが「こいつ本当によく食べるんだよ!」とみんなに紹介して回るのですっかり大食漢キャラとして認識されてしまい、お腹一杯なのにチーズや芋をみんなから与えら続ける。期待にこたえて頑張って食べ続ける僕。美味しいのだけどかなり苦しい・・・結局7人で3.3kgのジャガイモ、2.3kgのチーズを完食。7人といってもおばあちゃんとゲイツ弟の彼女エデンはほとんど食べていないので、実質5人で食べたことになる。ちなみにラクレット、抜群においしいのだけどさすがに芋&チーズの組み合わせだけだと飽きてくる。ジャガイモだけじゃなくて他の温野菜も色々準備した方がおいしいんじゃない?思うのは、日本人的発想なんだろうか。それにしてもよく食った!(ひろ)
2012.07.07 Fribourg 0km Friend’s House

いよいよ明日出発。溢れかえった荷物をなんとか工夫してパッキンング。いつも思うのだけど、よく4つのパニアバッグと後ろのキャリアに乗せる袋の計5つ(×2人)にまとまるものだと感心する。でも今日は感心してばかりはいられない。バックにちゃんと納めるだけじゃなくて、できるだけ預け荷物の超過料金を払わなくてもいいように工夫しなくちゃならない。あーでもない、こーでもないって体重計と睨めっこしながらパッキングしてると、ひろが「あー、も―嫌だ。もうさ、超過料金のことは諦めない?」って言ってきた。工夫次第では1万円近くセーブできるかもしれなかったのだけれども、確かに超めんどくさい。1万円くらいの差、もうどうでもよくなってきて「よし、超過料金はどうどうと払ってやろうじゃないか」と決断したら気分がすっきりした。最近はヨーロッパ系の飛行機会社ばかり乗っていて、自転車代を超過で5000円くらい払えばいいフライトばかりだったので飛行機に乗るのは苦ではなかったのだけど、久々に面倒臭い思いをしている。昼にはパッキングを終えてゲイツ&ナディーンと近郊へ遊びに行きたかったのだけど、結局夕方までパッキングに時間がかかってしまった。でもせっかくだからとゲイツが夜のパーティーまでの時間にフリブールの旧市街をさらっと車で観光に連れて行ってくれる。ビールもって、丘の上からフリブールの街を眺めながら「いよいよインドだな」ってしみじみ。友人宅では自分の家のようにリラックスさせてもらったので、「旅に出るぞ」って気分になる。
夜はゲイツの友人たち、ゲイツの弟、妹、ラファエルとパトリシアが来て、ゲイツ宅のバックヤードでフリブールの名物花びらチーズ(モンクヘッドという名前)とワイズワォースト(白ソーセージ)でパーティ。フリブールはスイスのフランス圏なのだけど、フランスにしろ、スイスのフランス圏にしろ、フランス語が母国語の人はなんでこうも英語が喋れない人が多いのかと思う。ゲイツとゲイツの兄弟たちはペラペラだけど、ゲイツの友人たちはかなり喋れないし、街で出会う若者たちもあまり喋れない。ツーリストインフォとかで働いている人ですら下手なことが多い。フランス人は英語が下手なことは世界中でも有名だけど、フランス圏スイス人も喋れないとは思ってもみなかった。(ようこ)
2012.07.08 In the Airplane 0km Flight to India

ゲイツとナディンには何から何までお世話になった。本当にありがとう。彼らと再会を誓って固いハグを交わし、僕らは電車でジュネーブ空港へ。スイスの電車はすごく静かで時間通りで日本みたいだ。定刻通り空港に着いたものの、荷物カートはコインを入れないと使えない仕組みで、既にコインを使い果たしている僕らは、箱詰め自転車2台、大型荷物2つ、手荷物数個という大所帯なのにカートが使えないという悲劇的な事態に。たまにコインが必要なカートを置いてる国があるけど、その国に入ったばかりだったり出る直前だったりする人はコインが手元になくてもの凄く困るという事を知っているのだろうか。しょうがないので何回にも分けてちまちま往復して進んでいたのだけど、筋肉の限界が近づいたころに乗り捨ててあったカートを発見することができてホッと一息。
そして恐怖のチェックインタイム。チケット購入時に僕が自転車代やエクセス代を勘違いして確認していて、改めて計算すると最悪一人300ユーロ取られる可能性があるのだ。500ユーロで買ったチケットに荷物代300ユーロも払いたくない。旅行を始めた当初に作成した「荷物代まけて下さい」というお願いレジュメを久しぶりにプリントアウトし、手荷物には小さくて重いものをたらふく詰めて、恐る恐るカウンターへ。そして結果はまさかの無料!カウンターの人のミスなのか、勘違いがあったのか、大目に見てくれたのか、なんの交渉もしないですんなり荷物を全部預かってくれたのだ!なんたる奇跡。二人で600ユーロも節約できてホクホクだ。後は荷物が無事届いてくれればいいのだけど。(ひろ)

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