Aug,07,2012

私たちの赤裸々な日常をつづったチャリダー日記、アルプス周遊編Vol.2。
今回は、バルスロネットから、フレンチアルプスの山々を経由して、エクスレバンに到着・休憩するまでの走行日記です。
なお、GoogleMap、標高プロファイル、距離一覧表、簡単なホテル情報をNotesにまとめてありますので、そちらも参照して下さい。
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2012.06.09 Barcelonnette – Guillestre 51km Camping Site

僕の左膝は相変わらず腫れているので、昨夜の時点では峠を迂回しようということになっていた。でも起きてみたら朝から快晴で、明日は雨の予報。膝は昨日より調子いいし、悩んだ結果これは迂回している場合じゃない!と峠に向かうことにした。これが大正解で次のVars峠もとても気持ちがよい峠だった。膝の調子もそんなに悪くない。美しい風景を堪能しながらゆくり峠を登っていくと、頂上の100mほど手前に雪解け水が流れる草原地帯を発見し、そこで優雅な昼食タイム。青い空、新緑の草原、色とりどりの高山植物、キーンと冷たい雪解け水。草原に座ってコーヒーを入れ、下界から運んできた生ハムやバゲットを食べていると、気分はもうアルプスの少女ハイジだ。
フレンチアルプスはアドベンチャー感は全くないけれど、なんか素敵な休日を過ごしているって感じがして物凄くさわやかな気分になる。6月という時期のせいかそんなに混んでもいないし、団体客や大型バスもいない。ひょっとしたら僕らにはスイスの観光地とかよりもこういう峠の方があっているかもね、なんてようこと話す。まだ行ったことのないスイスと比べるのも変な話なのだけど、それくらい心の落ち着く爽やかな峠越えだった。(ひろ)
2012.06.10 Guillestre – Le Monetier les Bains 49km Camping Site

ひろの膝の腫れがひどいし、今日天気もいまいちの予報だったので峠を回避。地図にスペクタクラーサインのない普通の道だったけど、十分に気持ちよかった。朝は気持ちのよい天気だったけど、どんどん曇ってきて、午後から雨。ヨーロッパの天気予報はばっちり当たるのが凄い。天気予報を見て予定を立てやすいのは嬉しいのだけど、予報が雨続きとかだと悲しい気持ちになったりもする。知らない方がよかったかもと思ってしまう事もある。ブリアンソンはこの辺では大きな町で、探しものも見つかりそうな感じだったけど何せ日曜日。ゴーストタウンのように静まり返ってる。ヨーロッパの田舎の日曜日は外出禁止令でも出てるのかってくらい人が町にいないのが面白い。先週の反省をもとに食糧もばっちりと買い込んであるので心配はないのだけど、日曜日はワインが飲めないのが残念(さすがに瓶は重いので日曜日は禁酒にすることにした)。今日のキャンプ場は1週間前にオーナーが変わったばかりで、オーナーのカップル?親子?はやる気満々フレンドリーないい人たち。着くなり雨が降り出してきて、テントを張り終わったら大雨になった。ぎりぎりセーフ!(ようこ)
2012.06.11 Le Monetier les Bains – St Michel de Maurienne 52km Camping Site

朝起きたら美しい雪山たちが顔をのぞかせていて清々しいキャンプ場だったことに気がついた。
今日はフレンチアルプス前半最後の峠越え、Galibier峠だ。実はこのガリビエール峠、ツールドフランス定番の難所としてとても有名な峠らしい。ツールドフランスに全く興味がない僕らにはそんなこと関係ないけれど、後々ガリビエールをフル装備で越えたとフランス人に話すと“それはすごい!”と目を丸くされることになる。それほど有名な峠だったみたいだ。
そして峠はとにかく寒かった!残雪が多くて冷たい風が容赦なく吹きつける。体を動かしていないと寒くてしょうがないのでなかなか休憩できない。峠の最後1kmほどの所に反対側に出るトンネルがあって、その先の峠道は車両通行禁止になっていた。せっかくここまで登ったのだからと頂上まで登りきってみたものの、峠の反対側はまだ除雪が終わっていなくて通行止めだった。結局トンネルまで戻って峠の反対側に出る。そして下りも寒い!ダウンジャケットを着てもぶるぶる震える寒さだった。途中小さな峠をはさんで一気に2000m近く下り続けて、麓の街にあったホテル併設のキャンプ場でおしまい。ホテルには沢山サイクリストが泊まっているのにキャンプしているのは僕らだけだった。フランスのサイクリストはホテルがお好きなようだ(ひろ)
2012.06.12 St Michel de Maurienne – St Pierre d’Albigny 58km Camping Site

夜中は雨がふったけれども、朝には晴れてくれた。なんだかんだテント設置、撤収時には晴れてくれていることばかりで助かる。新しいテント「ムッシュウ」は外張りを外さないで内張りを撤収することができるので雨が降っていてもあまり困らないのだけれども、それでも濡れている外張りを乾かしてからしまう事ができるほうがやっぱり気持ちがいい。のんびり出発の12時。もともと相当のんびりタイプの私たちだけど、最近はチェックアウトタイムにはかろうじて間に合うくらいの出発が続くノンビリさ。コーヒー淹れて、バゲット買いに行って、ゆっくりご飯食べて、またコーヒー淹れて、で、ゆっくり身支度してってしてると昼ご飯どきになってしまったりしている。せっかく晴れていた天気も出発して間もなくして大雨に変わってしまった。今回ヨーロッパに来て初めてのレイングッズ一式の登場。寒いし打ち付ける雨は痛いし景色は楽しめないし、雨の走行は嫌い。ラッキーなことに休憩のときだけ雨が止んでくれて、体温も回復してお腹も満たすことができたのがせめてもの救いだった。本日のキャンプサイトは思いのほか丘の上にあって疲れたけど、熱々のホットシャワーがたまらなく気持ちよくって大満足。フランスのキャンプ場はシャワーが無料なことがほとんどなのは嬉しいのだけれども、温度が調節できないことが多い。フランス人にはちょうどいい温度なのかもしれないのだれども、熱いの好きな日本人としてはいつも2,3度くらい足りないのが不満。テント設置時には止んでいた雨も再び降り出したのだけど、オーナー宅のガレージを使わせてもらえたので快適な晩御飯タイムが過ごせた。超ビビッドな虹がダブルで出現。no rain no rainbow!(ようこ)
2012.06.13 St Pierre d’Albigny – Aix les Bains 43km Friend’s House

朝から雨。ガレージを使わせてもらって朝食や片づけをしていたら出発は昼ごろになってしまったけど、その頃には雨もほとんどやんでいた。エクスレバンの手前、シャンベリーの街には郊外型ショッピングセンターがあって、探していたアウトドア用グッズもちらほらあった。とりあえず今日は下見程度にして、とりあえずエクスレバンに向かう。
エクスレバンにはアルゼンチンで会った素敵なザビエル&エリザベスの一家が住んでいて、そこにしばらくお世話になることになっていた。こぢんまりとした家はセンスが良くて、広大な庭には野菜やハーブやベリーがたくさん育てられていて、これぞヨーロッパのお宅といった素敵な家。クラフティやトマトの肉詰めといった手の込んだ素敵な料理を用意していてくれてほっこり。これからしばらくお世話になります。(ひろ)
2012.06.14 Aix les Bains 0km Friend’s House

今日は自転車屋をめぐり、先日テントを紛失した件について航空会社にFAX送信し、隣町シャンベリーへウォータープルーフバッグを買いにと大忙し。FAX送信がこれまた結構手間取って、エリザベスとザビエルはもちろんのこと、町で人々に聞いても誰も知らない。なんとか知っている人に辿り着いたものの英語がほとんど喋れない人だったもので、いまいち詳しくどこなのかが分からなくて町をグルグルと回る。いまどきFAXでしか受け付けないって時代遅れよね。シャンベリーではテントとともに紛失したウォータープルーフバッグを購入。今回はヨーロッパの田舎ばかりを走っていたのもあったけど、なかなか欲しい品物に出会えることがなくて困った。本当はオルトリーブのバッグが欲しかったのだけど、メールオーダーするしかないようで、確実に買えるもので妥協することに。ひろは膝のサポートになればとかねてから試してみたかったサポートタイツskinsを購入。ヨーロッパってパカパカお金が飛んでいくなぁ。夜はエリザベスのヨガクラスに参加。フランス語で見よう見まねでやったのでヨガっていうか単なるストレッチな感じで終わったけど気持ちよかった。
毎日時間があるんだから1時間くらいゆっくりと体をいたわる時間をとったらいいなと思い続けて3年半。なかなか実行に移せない。ヨガの後ゆっくりと暮れていく空のもとで晩御飯。なんだか一日が長くていい。(ようこ)
2012.06.15 Aix les Bains 0km Friend’s House

今日はエリザベスとザビエルがジュネーブへお出かけ。僕らは家に残ってインド行きのチケットを探したりミシンを借りてテントを縫ったりと、ちまちまと用事を済ませる。
ベジタリアンのエリザベスは驚くほど日本食材を持っていて、醤油、ノリ、わさび、味噌、シイタケ、煎茶、ほうじ茶、寒天に昆布、なんと梅干しまで置いてあった。エリザベスのキッチンにも驚きだけど、気軽にこんなに日本食材を手に入れられるフランスという国にも驚きだ。夜は手巻き寿司、揚げ出し豆腐、照り焼きチキンなどをふるまう。日本食が好きな二人も手巻き寿司は初めてだったようでなかなか楽しそうに巻いていた。巻き寿司よりも用意は簡単だし楽しそうに巻いているし、これは意外といい振る舞い料理かも。ほうじ茶の正しい淹れ方を教えてあげたら「味が全然違う!!」と感動してくれて嬉しかった。(ひろ)
2012.06.16 Aix les Bains 0km Friend’s House

今日は忙しい一日だった。朝はザビエルと一緒にエクスレバンの土曜朝市(マルシェ)へ。野菜にチーズに肉に魚にと驚くほど沢山の店が立ち、驚くほど沢山のローカルが買い物をしている。こんな先進国で近くには大型スーパーがあるというのに、活気のある朝市が毎週開かれているなんて驚きだし、何だか羨ましい。
マルシェで買ってきたフレッシュ野菜や果物を朝食にいただいた後、午後からは近くの湖でカヤックを楽しむ。家からすぐの湖で雪山を見ながらカヤックができるなんて素晴らしい環境だ。カヤックは11年ぶりだったけど静かな湖なので特にテクニックもいらず、ボートでも漕いでいる気分でノンビリと水面を行く。
そして夕方は近くのシャンベリーまでサーカスを見に行った。移動型サーカステントにサーカスを見に行くなんて映画の世界だと思っていたけど、ヨーロッパではこういうサーカスはまだまだ沢山あるらしい。先進国なのに古き良きものはそのまま残しているのが素敵だ。サーカスはアクロバティックショーというよりはトランポリンや綱渡りを交えた演劇といった感じで、残念ながらストーリーが全然わからなかったけど、それでも雰囲気を堪能できて楽しかった。そのままシャンベリーの街を案内してもらい、エクスレバンに帰ってきたのは夜11時過ぎ。今日はザビエルたちの娘が家でパーティーをするというので、ザビエルたちと僕らは彼らの友人、アーニャ&マニエル宅に泊まった。これまた立派な庭に美しいガーデニングがほどこされた立派なお家。やっぱりライフクオリティが高いよな、ヨーロッパって。(ひろ)
2012.06.17 Aix les Bains 0km Friend’s House

今日も素敵な天気。庭で食べることにもすっかり慣れたけど、いつだって本当に気持ちがよくて幸せ。ゆっくりおしゃべりしながら朝の美味しい空気も吸い込んで爽やかな一日が始まる。そろそろ出発しなくちゃならないので、今日は家で用事を済ますことに専念する。とはいえ、朝も昼も夜もご飯はしっかり用意してゆっくり時間を取って食べるのでなんだか優雅な気持ちになる。夕方に長女のアージニも帰ってきて今日はみんなでザビエルリーダーのもとクスクス(北アフリカの料理)ディナーの用意。ザビエルはアルジェリアに仕事で住んでいたことがあるのでクスクスが得意とのこと。本格的なクスクスを食べるのも見るのも初めての私たちも興味津々。今日は特別なマトンを買ってきたんだよと嬉しそうに言うザビエル。実は私マトンが嫌いなんだけど、、、って言えなくて、食べれなかったらどうしようと思ったら、びっくりするぐらい柔らかくて美味しくて、嫌いどころか進んでいっぱい食べてしまったくらい。見た目にもパーティー料理な豪華さがあっていいし、食べても美味しいしでクスクスディナーを楽しんだ。そして恒例のデザートはチーズ。チーズってお酒につまみとかで前菜として食べるのかと思っていたんだけど、チーズはデザートなんだって。しかも結構な量をみんな食べるのが凄い。とっても美味しいチーズばかりで嬉しいんだけど、どうも食後にチーズっていうのが慣れなくて甘いデザートのように別腹をつくることができないのが困る。といってもなんだかんだ詰め込んでいるのだけど。(ようこ)
2012.06.18 Aix les Bains 0km Friend’s House

今日は月曜日。今日こそ出発!のつもりだったのだけど色々と間に合わず、もう一泊させてもらうことになった。お陰でブログを書いたり写真をDVDに焼いて日本に送ったりと(送料11ユーロと格安だった)、キャンプ生活ではなかなかできない雑用をあらかた終わらせることができた。
夕方、おとといお世話になったアーニャが8歳の娘を連れて遊びに来た。お姫様のような格好と素敵な笑顔の彼女がつたない日本語で挨拶してくるので、こちらは目じりが垂れっぱなしだ。国によって女の子が一番かわいいピーク時期は違うと思うのだけど、フランスの場合はみんなお姫様お嬢様として育てられているせいもあって、小学生くらいが一番かわいいと思う。ようこは夜再びエリザベスのヨガ教室に参加。今度は英語で説明を受けながらヨガをしたようで相当気持ちよかったよう。
今日はバゲットにチーズを乗せてオーブンに焼いたものを夕食にいただく。バゲットもチーズもうまいのだから、これが美味しくないはずがない。ザビエル家では美味しいものばかりいただいてすっかり太った気がする。結局ザビエル家には6泊もお世話になった。いよいよ明日は出発だ。(ひろ)

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