May,18,2012

私たちの赤裸々な日常をつづったチャリダー日記、コロンビア編Vol.2。
今回は、カリ出発から、ポパヤン、パスト、イピアレスを経由してエクアドルに入るまで日記です。
なお、GoogleMap、標高プロファイル、距離一覧表、簡単なホテル情報をNotesにまとめてありますので、そちらも参照して下さい。→Click Here!

2012.04.22 Cali – Mondomo近郊 78km Hotel

雨の音で目が覚める。とうとう雨の中走行になるのか、、。天気予報はずっと酷い雨予報だった割には、ここまでほとんど雨に降られていないラッキーぶりだったのに。と思っていたら出発するころにはほとんど止んだ。やっぱりまだまだラッキー?
カリの人たちはフレンドリーで「どこから来たの?どこ行くの?」ってよく声をかけてくれるし、よく笑う。街中に流れるサルサミュージックとこの明るい雰囲気が気分をあげてくれる。今日は最初の60kmはフラットで気持ちよく走る。相変わらずバイパス上にはほとんど食事処がないので、少し遠まわりになるけど街中に寄って食堂を探す。街につながる道はバイパスと違って雰囲気があって人々の感じが良くて、そこで見つけた小さな食堂も可愛らしいおばあさんがせっせとおかわりのジュースを運んできてくれてほっこりする。
昼食後は地図どおり登りが始まった。ちんたら登って今日の目的地に着いたものの、囚人部屋のような窓のない宿しかなかったのでもう少し進むことにする。ほんの少し進んだところに小さな手書きのMOTELのサインが。未舗装路を入っていくと小さな宿らしきものがあって、かわいいおじちゃんとおばちゃんがちょこんと座っていた。こちらでMOTELのサインがあると大抵日本のラブホのようなもので、ここもラブホちっくな看板なんだけど、おじちゃんとおばちゃんがノンビリ座っているところとか、まわりでニワトリがコケコケーっと走りまわってる感じだとか、近所の子供が遊んでいる感じが全然ラブホっぽくなくて面白い。簡素な宿だったけど、今日の中ではベストチョイス!(ようこ)
2012.04.23 Mondomo近郊 – Popayan 64km Hotel

今日も延々とアップダウンの繰り返し。今日は距離が短いから楽勝だろうと思って出発しているので、小さな丘を越えるたびに「もう終わりか?ああまだあるのか・・・」という期待と落胆を繰り返す。こうなるとやる気をキープするのが難しくなって、全然スピードが出せない。峠越えの時は最初から気合を入れているので全然辛く感じないのに、気持ちの入れ方っていうのは想像以上に大切だ。
Piendamoの街でランチ休憩。コロンビアのランチセットはお腹ぺこぺこのチャリダーですら残してしまうほど大量だ。イモとバナナがゴロゴロ入ったスープから始まって、メインディッシュの肉類にはイモと米と豆と焼バナナがついてくる。しかもフレッシュジュースはお代わり自由で飲んだそばから注ぎ足してくれる。いやあお腹いっぱいです。
ここ数日僕のペダルがガリガリと嫌な音を立てていたのだけど、今日はいつ爆発するのかというくらい酷い音がなっていた。ポパヤンの自転車屋で診てもらったら買い換えた方が良いとのこと。アルゼンチンで買ってまだ3000キロ程度しか走っていないのに壊れてしまうなんて。ようこのShimano製ペダルは旅の最初から使っていてまだまだ快調なのに。この先ヨーロッパでShimanoのペダルを購入することにして、とりあえずは安いペダルでキトまで頑張ってもらうことにした。やっぱりメイドインジャパン万歳だ。(ひろ)
2012.04.24 Popayan 0km Hotel

今日は火曜日。火曜日はポパヤン近くのシルビアという村でマーケットがあって、このマーケットには周辺に住むグアンビアーノ族が集まってきてカラフルになるというのでバスに乗って訪れてみることにした。昨日自転車で登ってきた道を半分戻って、さらに山の中に入っていく。車って速いよなぁ。昨日四苦八苦した小さなアップダウンなんて顎を上下に軽く動かすくらいの楽々さで走っていくんだものね。山の中に入ってからの道はかなりのワインディングで、すっかり車酔いしてしまってシルビアに着いてもしばらく動けなかった。
シルビアのマーケットは予想していたものよりはものすごく小さくて、グアンビアーノ族の人たちはいっぱいいたものの迫力には欠けてちょっぴり残念ではあったのだけれども、グアンビアーノ族の人たちがとても気持ちよくニコニコ笑ってくれたり、挨拶してくれるのが印象的だった。あとおじさんたちのマフラーが全部同じだったのも不思議。マフラーくらい違う色でもいいんじゃないかい?
今晩も夜ごはん探しが難航。チキン屋以外どこも開いてないのよね。(ようこ)
2012.04.25 Popayan 0km Hotel

朝6時に起きて出発準備を整えたものの、体調がすぐれないので今日は延泊することに決定。珍しく朝から快晴の中、二人して一日中部屋に引きこもってウェブサイトの更新作業にいそしむ。ひきこもりの日は雨でも降ってくれた方が罪悪感を感じなくていいのに。お昼は昨日見つけためちゃ混みの食堂へ。肉がちゃんと炭火で焼かれていて納得の美味しさだ。コロンビアの食堂はお昼時になると大繁盛している店と閑古鳥が鳴いている店の差が激しい。コロンビア人は意外と味にシビアなのかもしれない。
ポパヤンはコロニアル調の白い街並みで有名なんだけど、なんか無理やり白いペンキで塗ってみましたって感じで、特徴ある建物がある訳でも歴史が感じられる建物がある訳でもなく、特に面白みはない。まあコロニアル調の街並みは中南米のどこにでもあるから見飽きたというのもあるけど。(ひろ)
2012.04.26 Popayan – El Bordo 81km Hotel

ポパヤンの街からハイウェーに出ようとするところで道路を渡ろうと待っていたら、向かい側にいるおじちゃんたちが「パストに行くの?こっちだよー」とみんなで大きく手を振って教えてくれる。もう知っていたんだけど、みんなが一斉に教えてくれるのが嬉しくて「はいはーい!今いきまーす」ってこちらも元気よく手を振る。それからものの5分くらい進むと、進行方向の先で大きく手を振っているおじさんを発見。近づいてみたら「コーヒーでも飲んでいかないかい?」って誘ってくれるものだからまだ出発したばかりだけどいただくことにする。
甘いコーヒーとパンをいただいて走りだすこと1時間くらいしたら、後ろからサイクリストのおじさんたちが話しかけてきた。重い荷物をつけてノロノロ走る私たちについてきてのんびり一緒に走ってくる。途中まで同じ道を走るから一緒に行こうと言ってくれる。楽しい仲間が増えた。途中でグラナディージャというこの辺が産地の美味しい果物を買ってくれた。さっぱりしていて食べやすくてすっかり大好きになってしまった。結局、途中で結構な大雨になってきたので、雨宿りしながらコーヒータイムにしておじさんたちとはお別れ。
峠を登り切って鼻歌まじりに下っていたら、トラックが何キロにもわたって大渋滞。何事かと思ったら、途中で道が半分くらいパックリと割れて無くなっていて、大慌てで修復している最中だった。復旧に1時間くらいかかるって言っていたけど、あのペースじゃ半日かかっても直りそうにない。周りの人々に助けられて私たちは何とかブルドーザーの横をすり抜けることができてよかったー。それにしても今日は蒸し暑い日だった。(ようこ)
2012.04.27 El Bordo – Remolino 79km Hotel

朝からしばらく下った後は、相も変わらず細かいアップダウンの連続。コロンビアの道ってなんでこんなにアップダウンばかりなんだ?今日は集落が少ない道だったけど、たまにすれ違う住民は黒人系が多くて、みんなニカッとビッグスマイルを浮かべ、手をニョキっと突き出して挨拶してくれる。やっぱる黒人系は明るくて元気だなあ。ちなみにこの集落が少ないエリアは、後で現地人に聞いたところ、強盗が出没するエリアだったらしい。夜間に通らなければ大丈夫だって言っていたけど、とりあえず何もなくてよかった。
お昼予定地のRemolinoに到着する1kmほど手前で僕のタイヤがパンク。なんだよーと思いながら修理していたら、隣でようこが貧血になったと道路に寝っ転がり始めた。そのため急遽予定を変更してそのままRemolinoに泊まることにする。宿にチェックインし、ようこの復活を待って町をフラフラ。といっても街道沿いの100mくらいしかない小さな町なのであっという間に街歩きは終了。雑貨屋に売っていた自家製アイスキャンディー、冷凍庫にそのままゴロゴロと入っている適当なストック方法だったけど、味はとても美味しかったので、夕方にも再び食べに行く。今日はお昼ご飯が遅かったので、ついでに屋台のソーセージを買って夕食はおしまい。
今日は疲れたからゆっくり寝るぞーと思っていたのに、夕方7時くらいから宿の目の前のディスコから爆音が轟き続けて全然眠れない。そういえば今日は金曜日だからなあ、それにしてもラテンの人たちって絶対に耳が悪いと思う。どう考えても音が大きすぎるもん。耳栓をしてもガンガン音が響いて、これじゃあ全然寝られないなあと悲しい気持ちでベッドに横になっていたら、突然室内でドーンという音がした。びっくりして電気をつけたら自転車がパンクして倒れていた。昼間に修理したばかりなのにおかしいなあと思いつつ、チューブを新しいものに交換。これで大丈夫でしょと思っていたのに、数時間後、眠れないついでに何となくタイヤをチェックしたら再び同じところがパンクしていた。タイヤやリムを丁寧にチェックしても全くおかしいところはないのに、いったいどうなってるの?ひょっとしてディスコの爆音と共鳴でもしているのか?
結局ディスコから流れるセンスの悪いセレクションの爆音サウンドは夜中2時ころまで続いた。明日は5時起きなのに寝不足だ。(ひろ)
2012.04.28 Remolino – Chachagui 59km Hotel

昨日は3時間しか寝られなくて何だかフラフラしながらの出発。今日は標高2000m以上アップのハードな日だっていうのに。最初の1000mアップは傾斜もきつくなくて意外に早く登れた。そして700mほどぐーんと下がる。この下りがなければ今日はあっという間に目的地に着くのになぁ。後半の1000mアップは少し傾斜がきつくなるけど、ボゴタからすぐの峠よりは断然楽だった。頂上付近にあったガススタ併設のレストランで昼食をとっていたら雨が降り出したのでゆっくり休憩。睡眠時間が少なかったので、すっかり眠くなって交代で昼寝。
そこから今日の目的地チャチャグイはあっという間だったのだけど、このチャチャグイ、ズルズルと細長い街で最初に見た宿が1万5000ペソの割に広くて綺麗で良かったのだけれども、街は始まったばかりだからもう少し先に進んでみようかと進んでしまったらなかなかいい宿に出会えなくて、しかも登っていくものだから戻りたくなくて、結局5kmくらい進んだチャチャグイの一応セントロの近くで2万ペソのちっちゃい部屋に落ち着く。何だかがっくりしてしまったけど、予定より200mくらい余分にアップしたのでその分明日が楽になるよねって慰め合う。今日は晩御飯を食べるよりも早く寝てしまいたくて、グラナディージャを食べて18時半にはベッドに入った。(ようこ)
2012.04.29 Chachagui – Pasto 26km Hotel

昨日頑張ったお陰で今日は楽勝。といっても今日も1000mアップの峠越えなんだけどね。朝起きて、宿の1階にあるレストランで朝食がないか聞いてみたら、おばちゃんにないわよと冷たく言い放たれてしまう。他の店もまだ開いていないのでやむを得ず持っていた非常食用のパンにかじりついていたら、同じ宿に泊まっていた道路作業員らしき他の客が何人か降りてきて、おばちゃんはその人たちに美味しそうな朝食を出していた。なんだよ、あるじゃん!
中途半端に空腹のままで出発し、途中のレストランで窯焼きアレッパを発見したので、朝食第二ラウンドを開始。アレッパはトウモロコシのパンケーキみたいなもので、窯焼きのものを一度食べてみたかったのだ。コーンスープを固めたような味とでもいえばいいのか、中に挟まったチーズがとろけてまあ美味しいのだけど、ぼそぼそした食感と甘い生地がどうも苦手。1回食べればもう十分かな。
順調に高度を上げて2850mの峠を越え、そこから少し下ってパストの街に到着。街到着早々に再び僕のタイヤがパンク。このアルゼンチンで購入したCSTという中国タイヤ、たかだか3000km程度しか走っていないのにもう限界が来ているようだ。パンクを直していたら地元チャリダーが話しかけてきて、そのまま街の中心部の広場まで案内してもらう。すると彼の友人チャリダーが次から次へと登場する。さすがに日曜日はチャリダーだらけだ。そのうちの一人、赤十字隊員マノロ君に連れられて別の広場まで行き、そこで彼の同僚を次々と紹介してもらう。なんかよく分からない展開だけど、とりあえずヒーローになった気分で楽しい。広場では日曜日恒例というエアロビクスをやっていた。エアロビなのに動きがサルサっぽくて、ようこと二人して大笑い。さすがラテンの国、エアロビまで変にリズミカル。(ひろ)
2012.04.30 Pasto 0km Hotel

今日は待望の休憩日。最近はハードな行程が続いていつも5時半起きだったから、目覚ましで起きなくてもいいのが嬉しい。ゆっくり寝てすっきり起きたら、ひろが青い顔をしていて昨晩下痢をしたと言っている。私は何んともないのにどうしたのだろう。今日は特に何をしなくちゃならないわけではないので一日安静にする。ガスストーブ用のガス缶が欲しくて街一番のショッピングモールに行ってみたけど、なーんにもない田舎の閑散としたモールだった。(ようこ)
2012.05.01 Pasto – Pedregal 40km Hotel

原因不明の腹痛は治まったのだけど、朝起きてもいまいちお腹が張っている感じがしたので午前中は様子を見ることにする。今日は日曜日に会った赤十字隊員のマノロ君と朝7時に待ち合わせていて、マノロとその仲間たちが街の外れまで一緒に自転車で走ってくれるはずだったで、朝一番で断りの電話を入れる。コロンビア人は僕のスペイン語レベルに合わせて上手いこと話をしてくれるので、電話でも何とか意思疎通ができる。自分の母国語を相手の語学レベルに合わせて話すのって意外と難しい。南米だとアルゼンチン人やチリ人は下手でペルー人やコロンビア人がうまい。そういえばアメリカとかオージーといった英語ネイティブの人は相手のレベルに関係なくペラペラしゃべる、というよりそういう風にしかしゃべれない人が多いとダントツに思う。
午前中、部屋でゆっくりしていたら雨がぽつぽつ降ってきた。テンションは下がる一方だったのだけど、早めの昼食をもりもり食べてもお腹は大丈夫そうだったので、気合いを入れなおして午後1時に出発することにした。再びマノロに連絡したら、モーターバイクで駆け付けてくれて、街の外れまで案内してくれた。
今日は遅い出発だったので、峠を一つ越えて坂を下りきったところで終了。宿は道路に直接面した1階の部屋だったので、自転車フル装備のまま、道路から直接部屋に入れてチェックイン終了。こんなに簡単なチェックインは初めてだ。(ひろ)
2012.05.02 Pedregal – Ipiales 43km Hotel

今日の登りは比較的緩やかでいい。とはいえ今日も軽く標高1200mアップ。途中でお気に入りのグラナディージャを買っておやつに食べる。おやつにフルーツって嬉しい。今日は12時まえにお昼ご飯を食べることに。コロンビアの食堂では12時まえだと昼食セットではなく朝食セットになる。でも朝食でもがっつり肉、イモ、米のセットであることには変わりなくて、ジュースもついてくるし、前菜のスープが付いていないないくらいの違いしかないのだけど。
昼過ぎにイピアレスに着いて急いで近くの観光名所のラスラハス教会(Las Lajas)へ乗合タクシーで向かう。街からそんなに離れたところではないので自転車で行こうかと最初は思ったのだけど、乗合タクシーで行って大正解。結構アップダウンがあったので疲れた体には辛かったと思う。教会そのものは新しくて特にどうってこともないのだけれども、ロケーションが素晴らしいところだった。平日の夕方であまり人もいなくて寂しい感じだったけれども、昨日だったら休日だったから現地の観光客が多かったのだろうな。コロンビアは人と絡んでなんぼの国だからこういうところも休日に来たほうが楽しそう。ビールを飲んでぐっすりと行きたいところだったのに、ベッドが柔らかくてめちゃくちゃ沈んで腰が痛くてなかなか寝付けない。明日は3kmほど下ったらエクアドルの国境だ。(ようこ)

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