Feb,18,2012

「チリってあんまり好きになれないのよね。」
パリジェンヌがボソっと本音を漏らした。
「え?なんで?」
「街も人もダサいし、ジロジロと見るし、人はウザいし優しくないし、、、」と続く。
頷ける部分もあれば、えっ?と思う部分もあって、それぞれ感じ方は違うのだと思ったわけだけど、多くの旅人がチリとアルゼンチンを比べる。
そこには「同じような国だと思っていたのに、、、」という前提があって、同じ隣国でもブラジルとアルゼンチンを比べたりする人はあまりいない(サッカーは別)。
それに両国を効率よく旅するには国境を頻繁に越えないといけないということもあって、その度に違いをまざまざとみせつけられるから、否応なく比べてしまうのかもしれない。

まず人が違う。
スレンダーで綺麗な顔立ちをした美人が多いアルゼンチン人。
ぽっちゃりさんが多くてスタイルは悪いのだけれども、ニッコリ笑顔がかわいいチリ人。
人が悪いのではないのだけれども、都会的で愛想のないアルゼンチン人。困っていて助けを求めると親切に助けてくれるのだけれども、向こうからは助けに来てくれない(もちろんアルゼンチン人も楽しくていい人がたくさんいます!!でも、全般的に感じた印象として)。
ちょっとおせっかいで、ひとなっつこい温かみのあるチリ人。困っているとそれをすぐに察知して向こうから助けてにきてくれる。


アルゼンチン男子も美男子多し。旅中に出会った友達、6歳のルカ。

街並みが違う。
アルゼンチンはヨーロッパのような街並み。しっかりとした造りの建物が多く、街路樹が多くて雰囲気がよい。家々の色合いも良いし、景観を壊すような看板も少ない。
チリは木造建築が多く、ちぐはぐな建物が雑然と並んでいる街並みが多い。壁の色などもパッとしない。家の造りも適当な感じで、天井が低かったり、開放感がない感じだったりするところが妙に日本の家に似ている。
日本に似ているといえば趣味の悪いトイレカバーや便座カバーなどが付いていることが多いところもそう。海外でトイレカバーなどついているのを見たのはチリが初めて。
新旧が無秩序に並んでいて美しく混じり合った街並みにはなっていないところ、東南アジアのような露店が雑然と並ぶ様子も妙にアジアチック。


ワインショップもおしゃれーなアルゼンチン。

センスが違う。
特に女子のファッションセンスの違い。
アルゼンチンの女の子たちは元々の美貌もさることながら、お洒落で素敵。パリジェンヌに次ぐオシャレっ子たちだと思う。みんな姿勢がいいのも特徴。ブエノス、コルドバなど大都会にはかわいいショップも多くてパリジェンヌもご満悦。

片や、思わず目で追ってしまうような素敵なファッションをしている人が大都会サンティアゴにすらほどんどいないチリ。どきつい色のthe latin色が好きな傾向。かわいいセレクトショップ的なものはあまりない。

チリ、アルゼンチンのワインのジャケットにもセンスの違いが。
チリのワインラベルは質実剛健タイプ。飾り気もなくて面白みにかける。
アルゼンチンのワインはモダンでポップなラベルが多く、ジャケット買いをする楽しみがあり。世界で一番ワインラベルに凝っている国だと思う。


アルゼンチンワインのラベルはこんな感じ。


チリワイン。クラッシックというか、なんというか。

食事も違う。
アルゼンチン、牛肉は間違いなく美味しい。でもスパイス類のバラエティーは少ないし味にバリエーションがない。魚貝類は缶詰めも含めて不味い。ブエノスなどの大型スーパに行かないと輸入食品など変わったものは手に入りにくい。
そしてパンが全般的に粉っぽくて不味い。温めたらまだ食べられるけど、お弁当用にサンドイッチなどをつくると不味くて喉に通らない。
宿の朝食はだいたい不味いコーヒーと喉が詰まりそうになるビスケットや不味いパンだけで、何の腹の足しにもならない。これならば朝食付きでないほうがいいと思ってしまう(付いているものはいただかないと勿体ないと思ってしまう貧乏性のため、朝食時間に縛られて寝坊もできないので)。

チリ、隣国の牛肉があんなに美味しいのに何故かこの国の牛肉は悲しくなるほど硬くてまずい。
でも小さな商店でも多くのスパイス類の取扱いがあり、アルゼンチンに比べて様々な調味料を使ったバリエーションのある料理が多い。魚介類が美味しい。野菜の種類も豊富。一般的なスーパーにもインターナショナルな食材、調味料が並ぶ。


自分で焼いても美味しいアルゼンチンビーフだけど、こんなに分厚いステーキを好い加減でいただくにはやっぱりレストランに行かなくっちゃね。

そんな違いの中で私はチリに心地の良さを感じていて、この両国を旅する日本人の多くが、私と同じようにチリ、チリ人に親しみを感じている一方で、出会う欧米人の多くが俄然アルゼンチンがいいというのも面白いと思った。
ヨーロッパの人々がアルゼンチンの街並みのほうに親しみが湧くのはよくわかる。
それに実際にアルゼンチンの街並みのほうが見た目に美しい。
でも人に対するインプレッションが違うことには驚いた。
欧米人からしてみるとアルゼンチン人のほうがフレンドリーで、心地よく感じるというのは、感じ方の違いなのか、それともアルゼンチン人チリ人ともに欧米人、アジア人に対する態度に違いがあるということなのだろうか。
その辺りをもっと突き詰めてもっといろんな旅人たちと話してみたかったと今になって思う。

これら全ては私の独断と偏見ではあるのだけれども、両国の私なりのまとめとして、アルゼンチンは見てくれを気にする国で、実質が伴っていないなと思うことが多々あった。「私たちは他の南米諸国とは違ってヨーロッパ寄りなのよ」という気配が色々なところに感じられて、でも気合い&プライドだけはあるのだけれども中身がすっからかんな感じが、あまり好きになれないところだった。
チリのほうが国全体の飾らない良さが人々の実直さにも表れていて、好感が持てて好きだったのだけれども、その辺は人それぞれなのかな。
わたし的には長く住むならチリ、観光ならアルゼンチン。あ、でもこれは街の話で、大自然はどちらの国も甲乙つけられないくらい素晴らしいです。


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