Nov,30,2011

私たちの赤裸々な日常をつづったチャリダー日記、ペルー編Vol.3。
ペルー最終回は、クスコでの休憩の日々から、チチカカ湖経由、ボリビア国境までの走行日記です。
なお、GoogleMap、標高プロファイル、距離一覧表、簡単なホテル情報をNotesにまとめてありますので、そちらも参照して下さい。→Click Here!

2011.10.16 Cusco 0km Hotel

クスコでは1週間ほど休憩することに決めていた。10年前にペルーに来た時にマチュピチュをはじめ近くの遺跡や村はあらかた見て回っているので、今回は特に観光もせずのんびり休憩。目覚まし時計をオフにするのも、パソコンをいじりながら無意味に夜更かしするのも久しぶりだ。
ランチにガイドブック絶賛のセビッチェ屋に行く。味付けも絶妙ながら、こんな山の中なのに魚介類が新鮮でとても美味しい。どうやって運んでくるの?と思ったけど、海岸沿いからずっと舗装路が続いているんだから考えてみれば当たり前か。気がつけばペルー編も終盤、ひょっとしたらこれが最後のセビッチェかもしれないと思うと切ない。セビッチェはそれぐらい大好き。
同じ宿のアメリカ人チャリダーが真夜中にギターを弾いたり歌ったりと大騒ぎ。いつもならすぐ文句を言いに行くのだけど、妙に疲れていてベッドから出るのが億劫だったので放置。毎日走っている時は疲れを感じないのに、休憩日になると途端に体の疲れがどっと噴き出してくるのだから、人の気力ってすごいもんだ。(ひろ)
2011.10.17 Cusco 0km Hotel

新しいタイヤを探しに自転車屋へ。でもいくら大都会クスコとはいえ、ここはやっぱりペルー。目当てのシュワルベ(ドイツブランド)のタイヤなんて影も形もなく、置いてあるタイヤはううんと唸るしかないものばかり。結局、お店の人お勧めのセミスリックタイヤを購入。中国製タイヤのお値段はなんと25ソレス(750円)。今使っているタイヤの10分の1の値段だ。大丈夫か、これ・・・。あまりに心配なので、タイヤとチューブの間に敷き詰めるプロテクションテープも購入。そちらは75ソレス(2250円)とタイヤの3倍もする。不思議な値段設定だ。
クスコ3日目にしてようやくクスコの中心地、アルマス広場に行ってみる。広場周辺にいるペルー人は、今まで見てきた中で一番悪い目つき・顔つきをしている人ばかり。さすがは一大観光地だ。しばらく中心部をふらふらしたけど、人がいっぱいで疲れてしまった。
夕食に、道中で現地人にもらったキヌアを取り出してきて米みたいに焚いてみる。栄養たっぷりって味がして美味しかったけど、もったりしていて沢山食べられない。スープに入れた方がおいしいかも。(ひろ)
2011.10.18 Cusco 0km Hotel

宿の隣のパン屋のパン・オ・ショコラが美味しいうえに1個30円弱で嬉しい。これなら毎日食べちゃおうかな。フランスほどではないけど、フランス人たちも喜んで食べてる!
クスコではお土産を買おうと意気込んできたものの目ぼしい物があまり見つからない。最近はちょっと高くてもいいからセレクトショップで買いたいと思う。雑多なマーケットから掘り出しものを探すのも面倒臭い。チープなものをいっぱい買う歳でもなくなったし、本当に欲しいと思うものしか持たなくてもいいと思うようになった。でも前のようにお土産探しにワクワクできないのはちょっぴり残念かなぁ。
午後、私たちのウェブサイトを見てくれているという旅人からクスコにいるのでぜひご飯でもとメールをもらう。喜んで晩御飯に。札幌出身の涼子ちゃん&かず君夫婦とひとり旅のようへい君。久々に日本語でいっぱい話して楽しい時間を過ごせた。(ようこ)
2011.10.19 Cusco 0km Hotel

数日前に混んでいるセビッチェ屋を見つけていたので今日はそこへ行ってみたけど、私には酸っぱさが物足りず。でもセビッチェの汁、レチェ・デ・ティグレは美味しかった。
今日はひさびさにアルゼンチンワインのマルベックを購入。やっぱりアルゼンチンワインは素敵。今からアルゼンチンが楽しみ。(ようこ)
2011.10.20 Cusco 0km Hotel

今日は僕の誕生日。朝からようこがお祝いしてくれて気分は上々だ。
ピサックという近郊の村に定期市を見に行く。地元民用ではなく完全に観光用の市で残念だったけど、村を歩いているうちに、そういえば10年前もここに来たんじゃない?という話になった。いったん思い出せばそれがきっかけになって、ここでおばちゃんの写真撮ったとか、ここは未舗装だった、なんていう細かい記憶まで芋づる式に蘇ってくるのが面白い。
その足でウルバンバという村のTres Kerosというレストランへ。ようこが探し出してくれたこの隠れ家的レストラン、いやぁめちゃくちゃうまかった!まずはピスコサワーで乾杯。ピスコサワーっていかにも観光用って感じがして敬遠していたのだけど、初めて飲んだピスコサワーはびっくりするほど美味しかった。何だ、もっと早く飲んでおけばよかった。そしてメインディッシュはテンダーロインステーキのコーヒーソースがけに、ラムチョップの甘酸っぱいソースがけ。ペルーの田舎の割にはというレベルではなく、世界のどこの大都会に出店しても絶賛されること間違いなしの素晴らしい味だった。ああ、思い出してもよだれが。
ディナーは宿でアンデス産ジャガイモたっぷりのオムレツ。ペルーのジャガイモは味が濃くて美味しいので、ジャガイモフェチの僕にはたまらない。これは34歳もおいしい年になりそうだ。(ひろ)
2011.10.21 Cusco 0km Hotel

クスコではEstrellitaという有名なチャリダー宿に泊まっている。設備は古いけど隅々まで掃除されていて清潔だし、開放的な中庭があって自転車をメンテできるし、WiFi&朝食付き&キッチン付き&荷物預かり無料で一人15ソレス(450円)という値段設定も素晴らしい。さすがチャリダーのほとんどからお勧めされるだけのことはある。クスコにはホテルが掃いて捨てるほどあるので、「チャリダー宿」という分かりやすい特色があるのは宿にとっても大きなメリットなんだろう。今は自転車5,6台あるだけだけど、先週は20台くらいあったみたいだ。
明日の出発に備えて朝からせっせと準備。お土産を買い、撮りためた写真をDVDに焼き、電気類を充電し、荷物を日本に送る。いままで時間がたっぷりあったのに前日に全部やろうとするものだから忙しくてしょうがない。
先日購入した中国製タイヤがどうしても信用できないので、更にMaxxisのクロスカントリー用タイヤを購入して持ち運ぶことにした。少し重くなるけどこれで少しは安心だ。(ひろ)
2011.10.22 Cusco – Checacupe 98km Hotel

7日間たっぷり休憩したから元気モリモリで再出発。早く出発するつもりだったのに、いろんな人と話してたら結局出発は10時ごろになっちゃった。そういえば数日前にスイス人カップルとドイツ人カップルのチャリダーたちが朝7時から用意していたくせに出発が10時ごろで遅いねー、ほんとに出発するの?って馬鹿にしてたのに結局自分たちも一緒じゃーん。ここは心地よくてみんな出発が遅れちゃう宿なんだ。
今日の道は緩やかな下りや平地が多くて楽。のんびりサイクリングな感じ。約100km走って終了。大きい村かと思いきや宿は一軒のみ。トイレのドアがないのは困ったけど、二人で15ソレス(450円)だから文句はいえない。そういえば今日の宿はペルー初(外国人用の宿以外では)テレビなしだった。今日の夜ごはんはチーズのフライで、ペルー最安値の2ソレス(60円)。(ようこ)
2011.10.23 Checacupe – Santa Rosa 108km Hotel

朝ごはんを10km先の村で食べる。地図上では小さい村だったけど日曜市が立っていて賑わっていた。今日は軽い峠越え。天気も良くて爽やかな風景が広がっていたので、気持ちのいい一日だった。峠の頂上付近に温泉があると聞いていたのだけど、行ってみたら落ち着けそうな感じではなかったので断念する。やっぱり温泉は日本が一番だ。
クスコで新調した中国製のタイヤ、走行2日目にして限界がきた。タイヤが丸くなくてデコボコしているので、走っているとガタンゴトンしてとっても怖い。何度もタイヤをはめなおしたり、チューブを変えたり、色々試したけど全然ダメだ。予備に買っておいたMaxxisタイヤに交換したらスムーズな走りになった。だから中国製は世界中で馬鹿にされるんだよな。それにしてもこんなに早く(たった2日!)予備タイヤを使うことになるとは。(ひろ)
2011.10.24 Santa Rosa – Pucara 74km Hotel

昨日の峠を越えてからは、ひたすら広大でフラットな高原が広がっている。標高4000mにこんな高原があって普通に気が生えていて水も豊富にあるってなんだか不思議だ。
今日の目標は135km先の村。フラットな舗装路だし余裕かなと思っていたら、午前10時くらいから強い向かい風が吹いてきた。それまで時速20kmで快調に飛ばしていたのに、急に時速10kmくらいになって、モチベーションまでがた落ち。向かい風の中で自転車を漕ぐのはせっかくの労力を無駄にしている気がするし、風に当たり続けると体がとても疲れるので好きにはなれない。
午後になっても強い向かい風はやむ気配を見せない。何せフラットな高原なので風をさえぎるものがない。僕らのやる気もゼロに近づいてきたので途中の村で今日はおしまい。明日は早起きして風が強くなる前に距離を稼ごう。
今日の村は雰囲気があまり良くなかったけど、宿のオーナー家族がホンワカしていてとってもいい感じだったので救われた気分だ。しかも予想外のホットシャワー付き!(ひろ)
2011.10.25 Pucara – Puno 105km Hotel

早起きして朝6時に出発。最初は無風の中で快調に飛ばしたけれど、午前8時半には向かい風が吹き始めた。ちょっと早すぎやしないか?
途中のJuliacaでランチ休憩をしたかったのだけど、ゴミゴミしたガラの悪い工業都市という雰囲気だったので、お腹は空いているのにそのままスルー。街外れでせめてフレッシュオレンジジュースでも飲もうと思っていたのに、1杯2ソルと言われて諦める。あれ、全国どこでも1ソルだったのに。
午後もひどい向かい風だったけど、朝のうちに距離を稼いでおいたお陰で無事に105kmを走破してプーノに到着。ホテルにチェックインした後、さっそく食堂に行って定食セット(MENU)を頼んだら、メインディッシュだけをボンと出された。あれ前菜とかスープは?と聞いたら「あ、いるの?」だって。当たり前でしょ。しかも精算時にシラーっとボッタくろうとする。2か月弱もペルーにいたけど、こんな面倒臭い思いは初めてだ。なんかプーノに近づくにつれて不愉快な出来事ばかり。ペルーはいい思い出ばかりだったのに、最後の最後に嫌な思いはしたくないなあ。(ひろ)
2011.10.26 Puno 0km Hotel

プーノの宿は古いけどなかなか心地良い宿で、すっかり部屋に引きこもり。ネット環境もスピードが早くて快適。しかも今日はこの先のボリビアをどう進もうかを調べているうちにワクワクする辺境ルートを発見。この先ネット環境がここほどいいところもないだろうからと、プーノにもう一泊してこの辺境ルートについて詳しく調べることにした。
ペルーもそうだったけれどもボリビアも二度目なので観光をしないで自転車で走ることに専念できるのが嬉しい。走りたいところ優先でルートを決められる。しかもこのルート調べているだけで二人ともワクワクが止まらなくなってきた!!。それにしても世界には本当に貪欲にハードに楽しく旅している人たちがいるもんだ。私たちは情報があってやっと動くタイプ。パイオニアにはなれない。(ようこ)
2011.10.27 Puno 0km Hotel

今日のランチは混んでいる食堂を狙ったので久々に美味しかった。クスコ近辺から安食堂の味の質が落ちているのか、ただ運が悪かったのか、それとも飽きてきたのか、あまり美味しいと感じなくなっていたペルーの食堂料理。前半戦のほうは田舎でも結構美味しかったのになぁ。
ペルー料理はセビッチェは最高に美味しいし、手の込んだ料理も多くて評価は高いのだけれども、どうしても星5つまではあげれない。それは何でだろうかとひろと考える。いまいちこれといった答えが見つからないのだけれども、華がないのかもしれないペルー料理には。(ようこ)
2011.10.28 Puno – Copacabana(Bolivia) 143km Hotel

今日は80km先のJuliまでのつもりが結局143km先のボリビアのコパカバーナまで走る。
アップダウンも少なく、今日の向かい風はあまりきつくなかったので走れたけれど、それでも標高4000m近くで追い風でもないのにこんなにも走れるようになったのは体力がついたのかな。
今日は真っ青なチチカカ湖を眺めながらの気持ちいいライドだった。プーノを少し離れただけでいつも通りの明るい元気な人々でいっぱいで、今日も挨拶するのが気持ちいい。
国境越えもスムーズで、心配していた余計なお金も全くかからず。ペルー側もボリビア側もひろがパスポート2冊持って手続きに行ってくれて私は自転車の番をしているだけ。国境係員も遠くに私の存在を確認するのみ。きっと顔の詳細なんて見えてない。そんなにテキトーでいいのかしら。
夕方ぎりぎりにコパカバーナに着く。夕暮れどきに走るなんてノルウェー以来かも。暗くなってしまうと宿探しやテント場探しが難しくなるから夕暮れ時に走ることは稀だけれども、この時間帯に走ること自体は気持ちがよくていい。今日もとっても綺麗な宿が700円。ボリビアはペルーより安いみたい。(ようこ)

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