コペンハーゲンから南へ走ってドイツへの船に乗るつもりだったのだけど、
地図と睨めっこしていたらスウェーデンからもドイツへの船がある。
せっかくだったらスウェーデンも通ってみようと、まずは電車でコペンハーゲンの対岸にあるスウェーデンのマルメに渡った。
スウェーデンはデンマークよりも物価が安く、友人もマルメにはショッピングへ行くと言っていた。大のショッピング好きというわけではない私もデザイン大国スウェーデンではどんなものが売ってるのかしらとちょっぴり楽しみにしていたのだけど、マルメに着いたのは土曜日の夕方。
街はすっかり閑散としていて淋しい感じだった。
街の感じも家々も個人的にはデンマークの雰囲気の方が好みで、私の中では勝手にスウェーデンのほうがいろんなところにセンスがキラリと光ってるというイメージを抱いていたものだから、
旧ソ連の都市を彷彿させるあっさりとした温かみのない街の作りや、突如として現れる超近代的建物のアンバランスな感じに、これまた勝手にがっかりしてしまった。
田舎の家々の窓ぎわのセンスのよさもデンマークが勝ち!
というわけでたった2日の滞在でモノ申すのもいかがなものだけれども、
スウェーデンはちょっぴり残念。
そしてスウェーデンからフェリーでドイツへ。
フェリーで渡るといっても、料金はたった3500円、6時間で到着。
マルメ駅の壁。プロジェクターで壁に写真を写してあたかも窓があるような演出。
自転車で走るのが面白いと思うのは1日走るとその国が見えてくること。
もちろん長くいればいるほど深くその国のことを知っていくのだけれども、
1日目でも観光都市ではない町々を走り、スーパーや商店で買い物して、地元の人々に道を尋ねたり挨拶をしたりして触れ合うことで感じられる空気は大きい。たとえ短くてもできるだけいろんな国々を走ってみたいと思うのはそこにある。
そんなドイツのファーストインプレッション。
まずびっくりしたのが英語が通じない。旧東ドイツ側の田舎だったというのがあるけど日本人ばりに通じない。単語を羅列してジェスチャーで表現してYESかNOの答えをもらうか、ドイツ語オンリーで話してくるのを雰囲気で20%くらい理解するような会話が続いた。
北欧の国々で英語を喋らない人に出会わなかったので、喋れないどころか全く通じないということを予期していなかっただけに1日目は驚きと落胆を隠せなかった。
写真を撮ってたら向こうから一生懸命手を振ってくれてる人がいた。スウェーデン人もデンマーク人に劣らずフレンドリー。
そしてドイツ人、表情が硬い。
失礼な話だけれどももともとの顔の作りも手伝って、非常に怖い顔をして歩いている人が多い。
口元がゆるーい感じで表情が軟らかかったデンマーク人は目が合うと必ず笑ってくれたのだけど、
ドイツ人はまず硬い表情でこちらをじっと見る感じがして思わず目をそむけてしまう。
表情が怖いだけで道を尋ねれば近くまで連れて行ってくれたり、休憩していたら陽気に話しかけてくれる人もいる。でもちょっとイージーゴーイングではない感じ。
表情の暗さはどこか日本と似てるのかなと思う。
ドイツでも日本でも、もちろん家族や友人と楽しい話をしている人たちの表情は明るい。
でも電車を待っている人、街を独りで歩いている人など気を抜いているときの日本の人々の表情は基本的に暗めだと私は感じている。ドイツ人と日本人、よく似ているといわれるけれども一日目、まず表情が似ているかなと感じた(顔の作り的には日本人のほうが怖くないけど)。
悪いイメージが多いのが残念なのだけど、建物や色のセンスが悪い。
まず家々に飾られている花々の色がどぎつい。
窓際にごちゃごちゃと物が飾られているのかただ置かれているのか分からない。
街並みもどこか目ざわりなものが多い。
何がどうそうのか上手く言葉にはできないのだけど、郊外の道路を走っていて日本に似てるなと感じた。遠く離れたドイツと日本。建物そのものや自然は全く違うのに、街や道路やそれをとりまく環境全体が雑然とした感じがどこか日本と似ているのだ。
こうやって並べるとなんだかドイツが嫌いなのではと思われるかもしれないけれど、
そういうわけでは全くない。
私たちの外国人の友人の中ではドイツ人が一番多いし、気が合う人達は断トツにドイツ人が多い。
ただこれは正直なファーストインプレッション。
仲が良いドイツ人の友人にもこのファーストインプレッションを正直には伝えられていないのだけど。