ブエノスアイレスでいったい何をしていたのだろうと、振り返ってみても肉とワインしか思い出せない。
毎日毎日ひたすら牛肉とワインに舌鼓を打っていた。
アルゼンチンでの私たちの食事を知る人はもう誰も信じてくれないだろうけど、
私はそんなに肉食ではない。
肉は好きだけど、肉をしばらく食べなくったって平気だし、大好きな卵が一生食べられなくなってしまったらショックだけど、肉は一生食べられなくなったとしても仕方がないと諦められると思っていた。
が、が、が、
アルゼンチンに来て肉観が変わってしまった。
「牛肉、サイコー!!」
ブエノスのパレルモ地区にはお洒落な感じのカフェやショップが多い。
アルゼンチン牛は安くて美味しいと有名だったけど、こんなに美味しいと思ってもみなかった。
この3か月、肉が買えるような街に滞在するときはほとんど毎晩肉を食べた。
こんなに食べ続けてきたのに、最後のブエノスの日々も毎日牛肉を食べた。
それなにの全く牛肉に飽きることもなく、もう二度とこんな牛肉三昧の毎日が送れないのかと思っては涙ぐみそうになる。
毎日牛肉料理を食べるのに、他の旅人たちが調理した牛肉を見る度にヨダレが垂れそうになった。
血なまぐさい肉売り場で、今日はどの部位を食べようかと物色しながらヨダレが垂れそうだった。
そして毎日、なーんて美味いのかしらと感動しながら食べた。
その牛肉と最高のコンビネーション、赤ワインもアルゼンチンは美味しい。
自転車走行中以外は毎日一人1本赤ワインを飲み続けた3か月だった。
世界的に有名なチリワインよりもアルゼンチンワインのほうが私たちの口に合った。
一本300円くらいだせば日本で2000円くらいの安いけどそこそこ美味しいワインが買える。
最後のほうは奮発して一本1000円前後のワインを買っていたけど、この辺のクラスのワインになるともう最高に幸せ。ただしばらく日本じゃワインは自腹では飲めないでしょう。
シアワセと不幸は表裏一体です。
ブエノスの女の子たちはみんなかわいい。
ブエノスアイレスが大好きという人も多いけれども、私たちにとっては結局牛肉とワインを食すには素敵な街であったけれども、それ以上のものではなかった。
南米のパリとも呼ばれるブエノスは、確かに趣のある建物も多い。
ブエノスっ子たちはお洒落で可愛いから見ていても飽きないし、ショッピング好きにはたまらないだろう可愛い服屋さんなどもいっぱいある。
街中をぐるぐると自転車でまわってみたりもしたけれど、パッと見は素敵な光景も多いのだけど、これっといって印象的な建物やストリートがなくて、ちょっとした色使いだったり、デザインだったりでハッとするようなことがあまりブエノスアイレスではなかった。
このような雰囲気のある建物が多いブエノスなのだけど、全体的には特別雰囲気がある街には思えないのはなぜだったのだろう。
私はメキシコシティーの方が俄然好き。
メキシコのほうが建物や看板、グラフィティーや彫刻などが私的には好み。
女の子たちのファッションはブエノスの方が何倍もお洒落なのに、何でだろう、ブエノスの街のオシャレ度はメキシコシティーに劣る。
それでもワインと牛肉のために私たちは必ずブエノスアイレスに戻るでしょう。
いやいや、楽しそうな北部アルゼンチンをまだ走行していないので、再びアルゼンチンにはいつか帰るつもりなのです。それまで待っててね、牛肉さん、ワインさん。
世界の大都市には緑が多いところが多いように思う。東京もこんな素敵な街路樹が普通にあるといいのだけど。
治安が悪くてギスギスした感じのブエノスかと思ったけど、大都市の割にノンビリとした顔も結構見られてホッとする。