Sep,22,2010

最近他の旅人から、2年も旅をしていて旅に飽きたり疲れたりしないの?と良く聞かれる。
そりゃあ2年間も毎日ハイテンションでいられる訳がない。
でも僕らはラッキーなことに夫婦二人で自転車旅。
触れあいメインの自転車旅にちょっと疲れてきたら、自転車を置いて観光メインのバックパック旅を楽しむことができる。そして旅にも少し疲れてきたなと思ったら、居心地の良い宿に長居してちょっとした日常生活を過ごすこともできる。
自転車モードと観光モードと生活モードをほど良くミックスできるので、どのモードでも常に新鮮な気持ちで過ごせている。

そして今はイスファハンで観光モード&生活モード。
特に居心地抜群の宿を見つけた訳ではないけれど、気がつけばもう1週間もイスファハンに滞在している。
午前中はあちこちの観光スポットを巡り、昼になると宿に戻って昼寝したり、地図を眺めてこの先のルートを考えたり、旅人と話したりして楽しく過ごし、そして夜になるとイマーム広場でピクニック。
毎日が幸せな忙しさだ。

バザール歩きもイスファハンの楽しみの一つ

イスファハンには10年前も来たので今回2度目の滞在だけど、全く飽きることがない。
その最大の理由は、もちろんイマーム広場だ。
世界で最も美しいと思うモスクをバックに、地元民とのんびりピクニックができる広場なんて、世界広しといえどもそうあるものじゃない。
朝一番の静かな広場も、夕方の優しい光を帯びた広場も、夜の賑やかな広場も、どの時間帯に行って本当に心が落ち着く場所だ。
どこにも出かけない日でもイマーム広場だけには必ず足を運んでいるし、イマームモスクには、入場料50円という安さも手伝って何度も何度も入ってはその美しさに感動している。
僕らにとっては、イスファハン=イマーム広場といってもいいくらいだ。


使い道がさっぱり分からない骨董品たち

そしてもう一つの理由は、この街の人たちの雰囲気の良さ。
他のイランの街と比べて、この街の人たちはいい感じの人たちが多い。
この地域の人たちの気質がそうなのか、この素晴らしい街で生まれ育ったという誇りがそうさせるのか、
みんなにこやかに話しかけてきては、Welcome to Iran!と言ってにこやかに去っていく。
話すたびにとても清々しい気持ちになる。

この”Welcome”という言葉は、イランや中東などのイスラム諸国を旅していると、本当によく言ってもらえる言葉だ。
会話を交わした人からはもちろん、まったく知らない人からすれ違いざまに”Welcome”と言われてびっくりすることもがある。
いままで日本で会った旅人に”Welcome to Japan”なんて言ったことがなかった。
でも自分が言ってもらうと、素直にうれしい気持ちになる。
今度日本で旅人と話す機会があったら、是非”Welcome to Japan”と言ってあげたい。
それがイスラム諸国で受けた数えきれない優しさに対するささやかな恩返しになると思う。


ラマダン明けの朝。祈りをする人たちで広場は埋め尽くされていた

このブログを読んでくれている皆さんも、そういう機会があったら恥ずかしがらずに”Welcome to my town”って言ってあげて下さい。
きっと、たとえほんの一瞬でも、その旅人の心をぱっと明るくする事ができると思う。


hiro | Iran
© yokoandhiro All rights Reserved. | 管理者ページ