Sep,16,2010

イランは数ある行ってみたい国の中でもいつも上位にある国だった。
そして、その中でもイスファハーンはずっと憧れの街だった。

今まで出会った旅人は、口をそろえてイランはいい国だよと言った。
絶対にイランが好きになるからって太鼓判も押された。
けど、
正直なところイランに来て10日、
まだイランのどこがいいのかさっぱり分からなかった。
スーパーフレンドリーなタジキスタンから来たからか、
ちょっと都会的なイラン人たちは、もちろん親切な人もいるけど、
みんなが言うほどフレンドリーには感じなかったし、
マシュハドやヤズドはただの都会で、もちろん観光名所はあるものの
なんだか何処もパッとしなかった。
期待を大にして来たイランだけど、なんだかテンションがどんどん下がる一方で、
ガイドブックや地図と睨めっこして、次の行き先を検討しようとしても、
なかなかルートが決められないでいた。

あんなに楽しみにしていたイスファハーンに着いたときも、
自分でも驚くほど感動がなかった。
この2年で初めて、
もしかして旅に疲れてきてしまったのかもしれないとすら思った。

そんな少し暗い気持ちでイスファハーンの最大の名所、イマームモスクへと足を運んだ。
イマームモスクには入口から心を鷲づかみにされた。
ウズベキスタンでも美しいタイルの数々に感動したけれど、
このイマームモスクの入口のタイルは細工の細かさ、彩りやデザインの美しさ、
どれを取っても今まで見たこともないような圧倒的な素晴らしさで、
入口の扉をくぐるまでにえらく時間がかかった。

やっと中に入っても、なかなか先へ進めなかった。
ひとつひとつの壁が、この世のものとは思えないほど美しい絵柄と色合いで埋め尽くされている。
近づいて見たり、離れて見たり、腰をかけてゆっくり眺めてみたり、カメラを構えてみたり。
入ってすぐにここには少なくても3、4回は足を運ぼうと心に決めた。
これから何度も来て何度も見れると分かっていても、
ひとつひとつの空間は離れがたいくらいに美しかった。
これは間違いなく世界一のモスクだろうし、
私にとっては世界一の建築物かもしれない。
美しくて涙が出るというよりは、
美しさに嬉しくて心が張り裂けそうになる感じだった。


同じような建築物は沢山見てきたけど、イマームモスクのタイル細工は入口からして圧倒的に美しい。

2時間くらい居たのだろうか、
最後にはお祈りの時間が始まるからと追い出された。
普段はすっかり眠りこけている私の体の中の細胞たちの全てが起きて、
体の中でテンションの高いパーティーが催されているような状態で、
自分の体が自分のものじゃないような感じで、
モスクを出るころにはすっかり疲れてしまった。


私的に一番感動したパーツ。

「ふぅー」
嬉しい溜め息をついてモスクを出たら、
なんだかイランの旅が楽しくなってきそうな気がしてきた。
万万万が一、この先のイランを楽しめなかったとしても、
このイマームモスクが見れたことだけで、イランに来ただけの価値があったと思える。
なんだかそう思っただけで楽しくなってきた。
よーし、イランもこれから楽しくなりそうだ。

そしてもう既にまた、イマームモスクへ行きたくなった。


このホールで祈りの声が響くのを聞いたときは鳥肌が立った。


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