ある村の商店で野菜を欲しいというと、
自分の畑からトマトやらジャガイモやらを沢山ひっこぬいてきてくれて、
「お金はいらんよ」と無料でくれたりする。
お店なんだからお金取らなくてどうするのさ、と思うのだけどね。
そんな商店の外で飲み物を飲んだりしてぼーっとしていると、
自家製パンを「はい、どーぞ」と近所の人がくれたりする。
外がパリパリで中がフワフワ。
市場で売ってるパンより俄然美味い。
「フクースナ(美味しいね)」って伝えると、
ニンマリ笑顔で家に帰っていく。
ある村の商店でパンを探していたら、お店にはパンがなかった。
お店のおばちゃんが近くの子供に声をかけて、
「どこかの家からパンを探してらっしゃい」と言って子供は探しに走る。
そしてどこからかパンを持ってきて、
子供もおばちゃんも嬉しそうに「はい、どーぞ」って。
お金は受け取ってくれない。
村の片隅でテントを張らせてもらっていると、
パン、ヨーグルト、庭でとれたフルーツや野菜、チャイ、
と色んな人が次々と持ってきてくれる。
お水は足りてる?何か必要なものはある?
みんな心配してくれる。
自分たちで作ったご飯が食べられないくらいお腹がいっぱいになってしまったり。
炊きすぎちゃったご飯をどうしようって、困ったり。
でもみんなの温かい気持ちがとてつもなく嬉しい。
人の家の庭にテントを張らせてもらうことも多かった。
突然の客も笑顔で迎え入れてくれて、
チャイはもちろん、庭で採れた美味しいリンゴやチェリー、モモやあんず、
トマトにきゅうり、ピーマン、
搾りたての牛乳、自家製ヨーグルトやバター、産み立ての卵、
贅沢で優しい味をふるまってもらった。
そんなおもてなしの最後に、
お土産だよって、大事なアクセサリーや毛糸で編んだ靴下をもらったり。
そして何より、みーんな笑顔。
凄い国でした、タジキスタン。