Jul,18,2010

もう後2日の走行でウズベキスタン、
という所でひろがお腹を壊してスタックした。

もうすぐビザが切れてしまいそうなのに、ひろの具合は日に日に悪くなってくる。
ひろの体調は心配だし、ビザが切れてしまうのも心配。
この際公共機関を使って国境を渡るのは全然構わないのだけど、
問題はこの国境まで自転車を載せられるような大型バスが通っていないということ。
電車は週に1回しかない。
国境までは小さなセダンタイプのシェアタクシーしかないとの情報しかなかった。
可哀そうなことに、ひろは一時間に何回もトイレに行かなくてはならないような体調で、
下痢が止まったところで、40度近い炎天下の中を走れるだけの体力がいつ戻るか分からない。

無理してでも進ませるべきかとも思うけど、
こんな体調のひろを自転車に乗せたら絶対に危ないとも思う。
でも、1日延ばしたら次は私までお腹を壊してしまうかもしれない。
大抵同じものを食べているので、体調を壊すのも一緒だ。
二人ともダウンしてしまったら、本当に動けなくなってしまうかもしれない。
気持ちばかりが焦る。

捨てる神あれば、拾う神あり。

英語を喋る人が少ないカザフスタンだけど、今日の宿には英語を喋るスタッフがいた。
焦る時に確実に話しが通じて色々と相談が出来たのは心強かった。
そしてラッキーなことに、ホテルの前にたまたま少し大きめのタクシーが止まっていて、
英語を喋るスタッフに自転車を載せて国境まで行けるかと相談してもらうことができた。
値段はべらぼうに高いけど、自転車を積み込めるという。
ホテルの目の前から載せることができれば、少しひろには頑張ってもらうことになるけど、
だいぶ楽だ。この際お金のことをごたごた言ってる場合じゃない。


カザフスタン、なんにもないけど気持ちがいい景色の中を走れます。

そしてもうひとつラッキーなこと。
この日約1か月のカザフスタン滞在で初めてバックパッカーに出会った。
彼らは沢山のちゃんとした薬を携帯していて、ひろの下痢を止めることのできる薬を持っていた。
通常下痢は体にとって出してしまった方がいいものだから、ちゃんと医師に診てもらって処方してもらった薬以外は飲まないようにしているけど、こんな場合は移動日だけでもいいから止めたい。
いただいた薬がなかったら、ひろはタクシーに乗るのすら大変だったと思う。
本当にありがたい。

困ったときに助けてくれる人たちがいることが心に沁みる。

なんとか無事に国境を越えウズベキスタンに入国することができた。
噂ではカザフスタンとウズベキスタンの国境はなにかとケチつけられて賄賂請求されたりして面倒だと聞いていたけど、拍子抜けするほどフレンドリーで、あっさりと通りぬけられて驚いた。


カザフスタンのシャシリク(ケバブ)、驚くほどうまーい。

首都のタシュケントに着くころには夕暮れ時になっていた。
2,3日何も食べれていなくて憔悴しきったひろにとって、
それはそれは長く辛い一日だったに違いない。
最後の最後まで、こんなに無理させて移動してきてよかったのものだろうかと悩んだけど、
快適な宿でゆっくりできて、明日にはちゃんとした病院に行ける。
よかった、ということにしておこうか。


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