膝が痛くてメキシコシティーまでバスでやって来たっていうのに、
毎日街中をほっつき歩いている。
宿にじっとしているのがもったいないくらい、メキシコシティーは楽しいところ。
メキシコシティーといったら、治安が悪いとか空気が汚いとかマイナスイメージが強くて、
あまり期待していた街ではなかった。
心配していた治安は、普通に出歩く分には全然危険を感じないし、夜に地下鉄に乗るのも問題はない。
空気は雨季が始まったからか、すっきり青空が見えるし、大都市の割にきれいな感じさえするくらい。

メキシコの凄いところは、街ごとに雰囲気が大きく異なること。
かれこれ２カ月メキシコに滞在していて、メキシコ料理には若干飽きてきたけど、
メキシコの街には全然飽きない。街ごとに文化も違うし、自然も違う。
メキシコシティーもまた、他のメキシコのどの都市とも違う雰囲気がある。
ただ単に大都会というだけではなくて、味のある大都会。
街には街路樹や公園が多くて緑に溢れているし、素敵な建築物が多い。
歴史ある古い素敵な建物も多いけど、新しい斬新な建築物も多い。
そのどれもが浮きたっていなくて、気持ちいいほどに調和している。

普通の公園だってセンスがいい。ベンチの色、ベンチの置き方、植物の配置、素敵だな。

メキシコはセンスのいい国だなと、うすうす感じてはいたけど、
メキシコシティーに来てからそれが確信に変わった。
この国はセンスがいい。
色づかい、看板、建築物、庭園、素敵だなぁと思うことが本当に多い。
特に公園、学校、図書館、博物館などの公共の建物のデザイン性に驚く。
こうやって誰もが訪れ、見て触れるもののデザイン性に力を入れるのは、素晴らしいと思う。
小さいときから自然に素晴らしいものに触れられる環境がこの国にはある。
羨ましいな。

歩道橋の階段がわりのスロープ。階段よりも時間もかかるし面倒だけど、人の動きをみるのも楽しいし、美しいフォルム。遊びがあっていい。

メキシコシティーには美術館やギャラリーも多いし、街の色々な場所に壁画やらオブジェが沢山あるし、ルイス・バラガンを始め著名な建築家の建造物も多い。
メキシコ人のセンスに感心しながら、
ちょっぴりでもエッセンスを盗み取れたらなぁと毎日楽しく街歩き。

アーティストマーケットも多い。小さなアートギャラリーが並ぶようで楽しい。

そうそう、もうひとつ。
メキシコのいいところは、そんなセンスのいいところでも気取ってないところ。
立ちながらタコスを頬張れる屋台が必ずある。
いい国だなぁ、本当に。

日曜日は無料の美術館や博物館も多い。ちびっこたちもモダンアートを気軽に見に来る。

街にはかわいいオブジェがいっぱい。