Jul,07,2009

エチオピアという国を好きになれるかどうかの第一関門はエチオピアの主食、インジェラが口に合うかどうかだとみんな言う。
インジェラはテフという穀物を水と混ぜて発酵させてつくる、いわばエチオピアのパン。
見かけは巨大なクレープとパンケーキの間のようなもの。鉄分が多くて栄養価は高い。
何故関門になっているかというと、それは強烈な酸味のせい。
においを嗅ぐだけでも嫌だという人もいるらしい。
困ったことに大都市以外ではインジェラ以外の食べ物をみつけるはなかなか難しいらしい。
これは、なんとしてでもクリアしたい関門だ。


これは水曜日と金曜日にだけ食べることができるベイアイネット。全部野菜や豆類で肉は使っていない。軽めで朝食に嬉しい。

初めてのインジェラは冒険はせず、宿の食堂で食べてみることにした。
ボロ雑巾みたいな見かけだと聞いていたけど、
よく言えばガレット(そば粉のクレープ)のようなものにも見えた。
手でちぎってみた。
もっちり、しっとりとしていて、蒸しパンぽい。
どちらかというと好感がもてる。
そして、口に運んでみた。

「すっぱっ。」
思わず二人で目を細めたけど、思ったほど強烈な味ではない気がした。
「意外と大丈夫かもね?かもね、、、。」
なんてブツブツ言いながら、ちびちび食べた。
実を言えばわたしは正直「ウエッ」と思ったけど、
この先ずっとインジェラを食べなければならないから、何があっても「まずい」とは思ってはいけないと自分にプレッシャーをかけていたような気がする。

首都アディスアベバではインジェラを避けるように過ごした。
「アディス以外ではずっとインジェラを食べないといけないしね。」
二人とも決してインジェラが口に合わないからとは口にしなかった。
一旦告白してしまったら、もう食べるのが嫌になってしまいそうだったからかもしれない。


チキンのシチュー、ドロワット。

避けていたインジェラを食べなければならない日々がやってきた。
構えていた自分たちがおかしくなるほど、
インジェラは意外と美味しかった。
いや、詳しくいうと、インジェラは主食のご飯やパンみたいなもので、
それについてくるおかずがどれもこれも美味しかった。
ラムや牛肉と玉葱やチリと炒めた焼肉のようなティブス。
トマトと玉ねぎでチキンをじっくりと煮込んだシチューのゆで卵付き、ドロワット。
辛いトマト系のシチューにラムや牛が入った、カイワット、
ひよこ豆や野菜をマッシュして、トマトシュチューに浸してグツグツと煮込んだようなもの、シュロワット。
ミートソースのような、ミンチャット。
お野菜や豆類を色々と味付けたものを何種類かのせた、ベイアイネット。
羊肉のスープ、クックル。
細切れの内臓肉をバターで和えたクットフォー(生肉が少し温まったもの)。
などなどもっと色々ある。
お店ごとに味の工夫も違っていて、どれもこれもとっても美味しい。
エチオピア人はなかなか味のセンスがあるのだと思う。


インジェラ自体も地味な色だし、シチュー類も見かけは美味しそうではない。でもエチオピアの食堂は大抵薄暗いからどうせあまり見えないからいいのかな。

パンやご飯と一緒ならもっと美味しく食べれるのではないだろうかと、最初は思ってた。
とある日、外国人がよく来るレストランでインジェラの代わりにパンにすることもできるというので、喜んでパンと一緒に食べてみた。
美味しいんだけど、何かもの足りない感じがした。
そう、きっとあのインジェラの酸味がおかずをもっと美味しくしているのかもしれない。

「インジェラ最高!」の境地にはまだまだ至らないし、
朝からインジェラはちょっと厳しいけど、
インジェラ、なかなか美味しいです。


このようなお盆がかかってる普通の民家も食堂。インジェラありますよ、マーク。


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