May,07,2013

アトラス山脈を越えて地中海の香りがするなと感じ始めて、シャウエンではまだ見ぬアンダルシア地方の気配さえ感じ始めたモロッコは、世界遺産の街ティトアンではもはやイスラムの雰囲気が漂うヨーロッパになってきた。
自転車最終日はヨーロッパ人たちのための別荘が並ぶ地中海ビーチの景色に、私たちはいったいどこを走っているのだろうと分からなくなってしまった。
時折現れる町にモスクがあったり、アラビア文字で看板が書かれていることだけが私たちがまだモロッコにいることを感じさせた。

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May,04,2013

「最後」にふさわしい場所ってあるのだろうか。
岬の先っぽ、一本道の終わり、そんなビジュアル的に分かりやすい場所の事だろうか。
でも旅の終わりってそういう物理的な、視覚的なものではない気がする。
どんな場所にゴールを設定しても、あと何年か旅の期間を延ばしても、その場所や時期に到達したことそれ自体で「ああ終わった」という実感が湧いてくるなんてことはない気がする。
旅という時間の過ごし方、旅という時間の流れ方、そういう愛おしいものに一つの区切りをつけて次のステージに進む準備ができているのか、という心の問題だと思う。
だから極端な話、最終目的地なんて決めなくたって構わないのかも知れない。

でもやっぱり4年半以上も自転車旅を続けてきたのだ。思い入れのないそこらへんの街で唐突に終わらせるのも何か味気ない。
これは卒業式みたいなものだ。
視覚的にも感覚的にも分かりやすいゴールに、最後を飾るにふさわしいと思える場所に、二人して颯爽と自転車で乗り付けて終わらせたい。

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