Feb,21,2013

テ・アナウの町は大雨だった。
バケツを何個ひっくり返したんだというほど激しい大量の雨が、一日中降り続いている。
昨日はキャンプサイトの一番低い場所にテントを張っていたのだけど、他のチャリダーに「明日は大雨だから高いところに移動した方がいいよ」とアドバイスされて丘の上に移っていた。
昨日テントを張っていた場所は川になっている。
もしテントが昨日のままだったら床上浸水どころか、テントごと遠くに流されていたかもしれない。
危ない危ない。


ケプラートラックはブナの森を抜ける美しいルートから始まる。

雨が多いフィヨルドランド地方にわざわざやってきたのは、ケプラートレックという2泊3日の有名なトレッキングをしたかったからだ。
NZには無数にトレッキングルートが張り巡らされていて、その中のいくつはGreat Walkと名付けられて大々的に宣伝されている。特にフィヨルドランド地方にあるミルフォードサウンドというルートは「世界一の散策路」とか宣伝されていて、ハイシーズンだと1年前から予約が必要らしい。
トレッキングを1年前から予約するなんて、出来の悪いジョークとしか思えない。
そこで今回は、満足度ならミルフォードサウンドに匹敵するという別のGreat Walk、ケプラートレック(こちらはキャンプ泊なら前日予約でもOK)にチャレンジすることになった。


きちんと整備されているのに決して景観を壊さないトラック作りは、ぜひ見習いたい。

大雨をやり過ごしてから出発しようと、テ・アナウのキャンプ場でじっと待つこと3日。
晴れ予報だった出発予定日になっても、しとしとと雨は降り続いていた。
もういやになっちゃうなーと、一緒に歩くことになったカナダ人チャリダーと一緒にふてくされていたのだけど、だからといってこれ以上待ってられない。雨が降る中で見切り出発だ。

ケプラートレックは数種類のブナが生い茂る美しい森を抜けるルートから始まった。
よく整備された小道は足元がフカフカしていて気持ちがいい。ブナの落ち葉の絨毯、ふにっした柔らかい感触がたまらない苔。
ところどころにゼンマイのお化けみたいな木やヤシに似た木が生い茂っているので、寒いという事実がなければ熱帯ジャングルの森を歩いているような錯覚を覚える。
熱帯の森が大好きなようこは楽しそうに写真を取りまくっていて、全然先に進まない。
これはなかなかどうして綺麗じゃないかと、雨で下がっていたテンションもすっかり元に戻った初日だった。

さて、2日目以降も楽しかった。
Great Walkというだけあって、良くできたトレッキングルートだ。
森を抜け、森林限界線を越えた後は、フィヨルド調の入り組んだ湖を横目に尾根を歩き、再び森の中に戻って川や森や湖を眺めながら歩く、という変化に富んだ盛り沢山なルートだ。
こんなルートが家の近くにあったら、一年に何回も来ては季節の変化を楽しむに違いない。
NZ南島にいて時間に余裕があるならら、是非とも歩いてほしいルートだ。

でも正直、このルートを歩くためだけでもNZに行きなよ!と勧められるほどではない。
ネパールや南米の超絶景ルートとはその点で決定的に違うのだ。
最初の森を越えてしまうと、その後はうわーと感動するような風景はなかった。
天気があまり良くなかったのもあるし、ボットントイレがあるだけのキャンプ場が一人18ドル(約1400円)という値段設定も相まって(ちなみに山小屋の二段ベッドは一人5000円なり!)、
「これがNZの誇るグレートウォークか、うーん。」というのが正直な感想だ。
ちょっと僕らが贅沢になりすぎてしまったのかもしれないとも思うし、NZって観光宣伝がお上手なのねとも思う。


これで晴れていたら最高なのに・・・

というわけで、不完全燃焼気味に終わったケプラートレック。
トレッキングを終えてテ・アナウの町に戻ってきたら快晴が広がり始めた。
うーん、なんだかなぁ。
でも天気予報を見たら、この先走る予定の地域はしばらく雨予報が続いている。
これ以上天気に翻弄されるのはいやだ。いい天気が続くと評判のダニーデンまで一気にバスワープしちゃおうか。
もう雨はこりごりなのだ。


こんなに低いところにかかる虹は初めて。


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