次なる大陸はヨーロッパ。
出発当初の予定にヨーロッパは入っていなかった。
ヨーロッパはきちんと整備されているから年取ってからでも行けるし、チャリダーの小汚い恰好じゃ入りにくいところも多いだろうし、何より物価が高いし、というのが理由だった。
でもこの旅の途中で沢山のヨーロピアンと友達になり、みんなから“なんでヨーロッパ来ないの？チャリダーパラダイスなのに。”と口々に勧められてきたものだから、気がつけば僕らもすっかりその気になっていた。
これからちょうどいい季節だし、何となくヨーロッパ方面に追い風を感じる気がするし、友達もたくさんできたことだし、今がその時なんじゃない？

こうやって僕らの予定は次々に変わっていく。
出発当初に立てた予定（詳細はこちら）どおりに回ったのは最初の一年だけだ。
きっと僕らの性格だと、１年先まで予定が決まる世界一周チケットでは旅ができないんだろうと思う。

さてヨーロッパに標準を絞ったものの、具体的にどう回ろうかとなると全くアイディアがない。
とりあえずヨーロッパの地図を広げてみたものの、どの国がどの辺りにあるのか全然知らないことに気がついた。さすがにスペインとかフランスくらいなら分かるけど、東欧あたりになるとさっぱり分らないどころか聞いたことない国まである始末だ。今ヨーロッパのパズルを渡されたら一晩かかっても完成できなそうだ。
そして一口でヨーロッパといっても意外と広い。せっかくだから西も東も北も南もと欲張りだすと全然時間が足りない。

いくら地図を眺めていても全然決まらないし、こういうときは人に聞いてしまうに限る。
基本的に他力本願な僕らは、さっそくヨーロッパの友達に「どこかお勧めを教えて！」とお願いメールを出したら、瞬く間にみんなから返答を貰った。
自分なりのルートを提案してくれる人、大量の写真や情報を送ってくれる人、自分の国がいかに美しいかを力説する人、みんなそれぞれの方法で、いろんなアイディアを提供してくれる。
そしてみんな“うちの国に来たら是非泊まっていきなよ！”と快く誘ってくれる。

きっと僕らのために一生懸命アイディアを絞り出してくれたんだろう。
こんなにも多くの丁寧な返信をもらえるとは思っていなかったので、メールを開く度にちょっとした感激に襲われる。
みんな旅人として現地の人たちにいろいろお世話になってきて、いつかその恩返しをしたいと思っている人たちばかりで、だからその恩返しとばかりに自分たちの国に来ようとしている僕らを最大限もてそうと、一生懸命アイディアを考えてくれたに違いない。
その気持ちが本当に嬉しい。
相変わらず旅の途中の僕らは、相変わらず人にお世話になりっぱなしの立場だ。いつか恩返しができる時が来るのだろうか。

みんなのお陰で、だんだんルートも決まってきた。
ヨーロッパの街や自然を見て回るのも楽しみだけど、何よもり懐かしい面々に再会するのが楽しみだ。
でもみんな旅人だから、夏はどこかに旅に出かけてしまってることが多いんだよね。
うまくタイミングがあって再会できるといいのだけど。

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