私たちの旅のスタートはトルコだった。
よく、「何でトルコからだったの?」と聞かれるけど、
大した理由があるわけでもなくて、
なんとなく決まった。
もちろん、自転車で旅をする以上、
寒すぎても、暑すぎても困るし、雨季だけは出来るだけ避けたい。
世界地図と世界の気候表とカレンダーを睨めっこして、
あーでもない、こーでもないと、何度も何度もコースを考えた。
そんな計画を立てる時間も、旅する時間と同じくらい楽しい時間で大好きだ。
計画や色々な情報も大切だけど、
最後は「なんとなく」の気持ちを大事にしようと思ってる。
だから、トルコも出発間際に「なんとなく」決まった。
理由があったような、なかったような、
そんな「なんとなく」だった。
今回の再スタート先も迷った。
本命は南米だったけど、まだ南米には呼ばれてなかった。
頭から湯気が出そうなくらい相当話し合って、インドから始めることにして、
スライドトークのDMにも再スタートはインドと書き込んだ。
それでも、「なんとなく」エアチケットを買う勢いが出なかった。
そんなとき、
たまたまウェブ上で須田誠さんの写真展を知って、行ってみることにした。
前にもチラっとウェブサイトを見たことがあって、
素敵な写真を撮る人だなぁと思っていたので、
写真展はぜひ行ってみたかった。
須田さんはとても素敵な方で、
写真もぐーっと心を掴まれる素敵な写真ばかりだった。
その中でもキューバの写真に心惹かれた。
翌日、ひろがニコニコした顔でキューバを特集した雑誌を買ってきた。
今まで本屋さんに行っても目に付かなかったのに、
探したわけでもなかったのに、目が合って買ってきたらしい。
急激にキューバに引寄せられてる気がして、
気がついたらトントン拍子でエアチケットを購入してた。
湯気が立つほど考えて出した決断も、
「なんとなく」、あっけなく変わっちゃうもの。
それでいいのだ。
そんなわけで、1月から中米を走ることになりました。
「なんとなく」には、本当になんとなくなわけではなくて、
何か意味があるんだと信じてます。