中国人ビジネスマンの車、ランドクルーザーにゆったりと座ってディメカにやってきた。
ジンカからディメカの道は、それはそれは酷かった。
道のような道じゃないような道を、ガッタンガッタンと走る。
ランドクルーザーに乗ってるのに、体がバラバラになりそうなくらい車が揺れる。
間違ってもトラックなんかで来なくてよかった。
きっと本当に体がバラバラになっていたかもしれない。
ディメカの村は予想以上に小さかった。
マーケットは小学校のグラウンドより小さかった。
小さいけれど、小さかったけれど、
目の前に広がった世界に圧倒された。
ディメカのマーケットには近くに住むハマル族とバンナ族が集まる。
どちらも外見は似ている民族で、ハマル族は高地に住み、バンナ族が低地に住む。
男性は布をスカートのように巻く。特に若い男性は超ミニスカートで、カタチの良い長細い足をスラッと出し、ふくらはぎや足首にビーズや羽のアクセサリーをつける。
ミニにし過ぎてパンツもチラッと見せてる若者もいる。
細いけど筋肉もしっかりついた美しい足。バンナ族の青年たち。
頭は凝った編みこみにしていたり、侍のちょんまげを彷彿させるような泥製のカツラのようなものをつけている人もいる。
そしてその髪型が崩れないように木でつくった枕で寝ているらしいのだけど、彼らは放牧で牛を追うときも、町のマーケットに出かけるときも、飲み屋に行くときも、常に片手にその枕を持って出かける。
ちょっと腰掛けたいときにイス代わりになって便利だと彼らは言うけれど、そんなに枕は大事なのかなぁ。
赤土と水とバターで固めた帽子のようなものを付けているバンナ族。ちょんまげみたい。
女性は山羊の皮で作ったスカートと、同じく山羊皮のトップスを着ている。
トップスの首周りは貝殻で縁取られていて黒い肌によく映える。
スカートにもビーズで細工が凝らしてあって、人それぞれデザインや色使いが違っていて見ているだけで楽しい。
既婚女性は太い金属の首輪をつけている。
何よりユニークなのが髪型。
赤土とバターと乳香を地毛に混ぜて独特な髪型をつくる。カツラのようだけど、地毛らしい。
赤土は肌にも塗る。
黒い肌に赤土を塗ると肌が光って美しい。
ほっぺに塗るとチークのようになって可愛い。
そして鞄はひょうたんバッグ。荷物が多いときは山羊の皮に荷物をくるんで背負う。
山羊革のツーピースをシックに着こなすバンナ族の女性。
際どいスカート!こちらはツァマイ族の女性。
ハマル族もバンナ族もとても穏やかな人たちで、挨拶をするとペコリと頭を下げて挨拶を返してくれるし、目が合うとニッコリ笑ってくれる。
観光客が来たら写真を撮れ撮れ(オモ川流域の少数民族を写真に収めるときは1~2ブル程度お金を払うことになっている)というのかと思いきや、この村のマーケットでは一人として写真を撮れと言って来なかった。
それどころか、私たちが彼らの中に入って横にのんびり座っていても、私たちと挨拶をした後は気にすることもなく友達と喋りつづけてたり、珍しい人たちだなぁ(私たちのこと)と遠目に眺めてたりするくらいで、絡んでくることはなかった。
ディメカのマーケット。それはそれはカラフル。
ハマル族、バンナ族の美しい装飾に、穏やかな顔に、スレンダーなスタイルに感動。
ディメカのマーケットは、ジンカのマーケットとは比べ物にならないくらい、ディープ。
これは例えトラックしか手段がなかったとしても、体がバラバラになったとしても、来る価値はあります。
そして出来ればこの村に一泊するのがお勧めです。